【防災力:4】THE ITABASHIテラス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 THE ITABASHIテラス

[所在地] 〒174-0053 東京都板橋区清水町38−1

防災力 Level 4
地盤 []液状化リスク、ボーリング調査もいま一つ
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []シンプルな形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約24m、地形的には「台地斜面」ですが、建物部分(建築面積に相当)はほぼ平坦です。
「台地斜面」は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地が含まれています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.44~1.57″です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある同地形(台地斜面)の調査地点では、
深度約4m~6mにN値2の柔らかい地層があります。
それ以降、少しずつ固い地層となりますが、深度30mを超えても支持層に到達しません。
地下水位が比較的浅く、その下に砂質の地層が広がっています。
表層面が柔らかく、支持層もかなり深い上に、液状化リスクも顕在なので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2012年6月竣工のRC造地上17階建です。
施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「前田建設工業」です。
少し背が高い建物ですが、シンプルな形状なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

東側区道(幅員約7.4m~7.9m)に接面する中間画地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
北側にも私道があるので、角地のような接道状況です。
東側接面区道は一方通行路なので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「清水町」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、清水町は16件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

「液状化の可能性がある地域」に該当する台地斜面に位置します。
周辺のボーリング調査からも液状化リスクが窺えます。
浸水可能性は指摘されていません。
シンプルな形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

「液状化の可能性がある地域」に該当する台地斜面に位置し、ボーリング調査からも液状化リスクが窺えることから、地盤リスクを認めます。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。