【防災力:4】三番町パークテラス桜苑

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 三番町パークテラス桜苑

[所在地] 〒102-0075 東京都千代田区三番町9−6

防災力 Level 4
地盤 []傾斜地、擁壁、支持層深い
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []シンプルな形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約26m~30mの台地の端に位置する傾斜地です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
また、敷地の北西側は道路との境界に高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.31~1.32”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
南東方にある調査地点では、
深度9m過ぎまでN値10未満の地層が続きます。
それ以降、徐々に固い地層となり、深度21m過ぎにN値50超の地層となります。
柱状図の表記が23mまでしかなく、支持層の深さは把握できません。
周辺の調査地点を参考までにみると、支持層の深さは30mを超える可能性が高いです。
支持層が深いので、問題のない地盤とはいいませんが、地震時に揺れを大きくするような非常に柔らかい地層も見られません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2005年8月竣工のRC造地下2階地上12階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「大林組」です。
シンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

南側(幅員約8m)、西側(幅員約6.1m~6.8m)の2本の区道に接面する角地です。
南側道路は、幹線道路まで直線的に接続できず、西側道路は一方通行路なので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「三番町」の地域危険度は”1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、三番町は26件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率は優良レベルですが、台地の端に位置する傾斜地です。
ボーリング調査は良好とまではいえない結果ですが、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
浸水可能性は指摘されていません。
シンプルな形状なので、建物時自体の損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

ボーリング調査では、深刻な問題は見出せなかったものの、支持層が深いであろうことが把握されます。敷地は、擁壁を築造している傾斜地となりますので、地盤リスクをないとすることはできません。その他のリスクは低いことから、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。