【防災力:4】レジデンシャル池袋本町
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 レジデンシャル池袋本町
[所在地] 〒170-0011 東京都豊島区池袋本町3丁目20−16
防災力 | Level 4 |
地盤 | [4]ボーリング調査があまり良くない |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [5]2023年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [3]系統連続性がやや劣る |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約27m~28m、台地の下部に位置する谷底低地に続く緩やかな傾斜地に位置します。
●地形図では「山麓堆積地形」となります。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※【山麓堆積地形】 斜面の下方、山間の谷底または谷の出口等に堆積した、岩屑または風化土等の堆積地形。崩壊や土石流の被害を受けやすい。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.55”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、
▼深度6mほどまでN値1~3の柔らかい地層が続きます。
▼一旦N値50超の地層となりますが、その下に再度柔らかい地層が入ります。(特に北西方の地点では、深度約18m~24mにN値10未満の地層が連続します)
▼支持層の深さは、17m~27mとなるようです。
●表層面が柔らかく、埋没谷エリアのような地層が存在し、支持層もそれなりに深い可能性があるので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2023年1月竣工のRC造地上7階建です。
●施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「山田建設」です。
●少々複雑な形状ですが、中層RC造建物なので、損壊リスクは低いものと判断します。
接面道路
●南側(幅員約4.2m)、西側(幅員約4.2m)の2本の区道と接面する角地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●西方の山手通りまで直線的にアクセスできる道路はないため、系統連続性はやや劣るとします。
●広い道路までの経路における道路幅員は概ね4m超を維持できるので、緊急車両の通行に支障とはならないと考えますが、大災害の際などには到着が遅れる可能性は残ります。
●緊急車両の通行に大きな問題はないと思われるものの、接道状況及び系統連続性が良好な場所と比較したら、火災時の災害リスクを多少認めます。
●敷地の北東側で都市計画道路(補助第82号線)の整備が進められています。完了しますと、幅員15mの道路と北東側で接することとなります。当該道路が山手通りと接続すれば、系統連続性の評価は「良好」となり、火災時の災害リスクへの懸念は解消されます。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「池袋本町3丁目」の地域危険度は“5”(※) であり、災害リスクが最悪レベルの地域です。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、池袋本町3丁目は13件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率は標準的ですが、ボーリング調査があまり良くない結果となっています。
●浸水可能性は指摘されていません。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
●系統連続性がやや劣り、火災時の災害リスクを多少認めます。
⇒表層地盤増幅率は悪くないのですが、周辺のボーリング調査はあまり良い結果ではなく、多少の不安が残ります。また、都市計画道路が整備完了するまでは、対象地の火災リスクが多少残り、災害の「地域危険度」が高いままとなるので、その災害リスクも加味した上で総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。