【防災力:4】ルネ アクアパークス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ルネ アクアパークス

[所在地] 〒176-0014 東京都練馬区豊玉南3丁目27−18

防災力 Level 4
地盤 []液状化、凹地・浅い谷、台地斜面
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []少々複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約37m~39m、地形的には、ビューフロントが「凹地・浅い谷」、パークフロントが「台地斜面」に位置します。
凹地・浅い谷は、「台地・段丘や扇状地などの表面に形成された浅い流路跡や侵食谷。豪雨時に地表水が集中しやすい」とされています。
台地斜面は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に、ビューフロントの敷地の約半分が該当します。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.52~1.53”です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北方の、対象地と同じく中新井川流域にある調査地点では、
深度6mほどまでN値0~1の非常に柔らかい地層が続きます。
深度7m過ぎにN値50超の固い地層となった後、少し柔らかい地層が所々で混在します。
柱状図に深度15mまでの表記しかなく、支持層の深さは把握できません。
深度6mほどまで非常に柔らかいので、地盤が良い場所とはいえませんが、深度7m過ぎにN値50超の固い地層となるので、その下で少し柔らかい地層が混在するとしても、地震時に揺れが大きくなるようなリスクは感じません。
地下水は浅いですが、その下に砂質の地層はみられず、液状化の可能性は低いのではないかと推察します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に0.3mほどの浸水可能性が指摘されています。
地形的には暗渠となっている中新井川流域の凹地で、標高は周辺で最も低いくらいであり、水が集まる可能性があります。
浸水可能性の指摘は約0.3mにとどまっていますが、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」で、2002年12月に竣工しています。
ビューフロント
SRC造地上15階建:建物は、3棟がエキスパンションジョイントで接合されたような形状です。
南側の棟は、少し縦長かつ平べったいUの字のような形状をしており、北西側の棟も北側が大きくセットバックされた複雑な形状をしています。
これらは、横長のシンプルな形状の建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。
パークフロント
中層RC造建物(地上6階建)なので、損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

ビューフロント北側区道(幅員約10.6m~11m)に接面する中間画地。
パークフロント北側(幅員約10.8m~11m)、南西側(幅員約6m)、南側(幅員約6m)、東側(幅員約4m)の4本の区道と接面する4方路地です。
北側接面道路は、片側一車線が整備された道路で、環七通り(都道)への接続は容易なので、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「豊玉南3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、豊玉南3丁目は7件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

敷地は「凹地・浅い谷」及び「台地斜面」等、複数の地形にまたがっています。
ボーリング調査から、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
暗渠となっている中新井川流域に位置するので、浸水リスクは顕在ですが、浸水可能性の指摘は約0.3mにとどまっています。
ビューフロントの建物は、少々縦長かつ複雑な形状なので、損傷リスクを多少認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

ボーリング調査から、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでしたが、敷地が複数の地形にまたがっているので、多少の地盤リスクを計上します。浸水リスク及び建物損傷リスクも、それぞれ大きな被害には繋がらないと思いますが、リスク自体は認め、これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。