【防災力:4】プラウド代々木初台

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 プラウド代々木初台


[所在地] 〒151-0061 東京都渋谷区初台1丁目26−14

防災力 Level 4
地盤 []液状化、埋没谷、ボーリング調査も良くない
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []中層RC造建物、複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約37m~40m、台地の端に位置する緩やかな傾斜地に位置します。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでしっかり押さえているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.74”です。
都区内の武蔵野台地エリアでは高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺の同地形(台地)にある複数の調査地点では、
表層面は問題のない場所が多いですが、深度約6m~8mにN値0~1の非常に柔らかい地層が挟まる地点があります。
深度十数m~20mほどにN値3~6の柔らかい地層が連続する地点があります。
支持層に到達するのは深度23m~25mとなるようです。
地下水位の下に、砂質の地層が存在する地点もあるので、液状化の可能性は否定できません。
表層面は柔らかい可能性があり、深度十数mにも埋没谷の影響と見られる柔らかい地層が連続し、支持層もそれなりに深く、液状化の可能性も否定できないので、地盤の良い場所ではありせん。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2006年3月竣工の中層RC造建物(地下1階地上9階建)です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「安藤建設(現:安藤・間)」です。
かなり複雑な形状ですが、中層RC造建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。

 接面道路

北側(幅員約4.2m)、東側(幅員の詳細は不明)、南側(幅員約5.2m)、西側(幅員約6m)の4本の区道に接面している4方路地です。南側等の一部の接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
甲州街道(国道)との接続は容易であり、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「初台1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、初台1丁目は41件となっており、治安は“5段階で4番目の治安が悪いレベル”です。

 本マンションの総評

「液状化の可能性がある地域」及び「埋没谷の範囲」に該当し、表層地盤増幅率も高い場所です。
周辺のボーリング調査も良くありません。
浸水可能性は指摘されていません。
複雑な形状ですが中層RC造建物であり、大きな損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」及び「埋没谷の範囲」に該当し、表層地盤増幅率も高い場所で、周辺のボーリング調査も良くないので、地盤リスクを無視できません。浸水リスク、建物損壊リスク、火災リスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。