【防災力:4】パークハウス砧レジデンス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークハウス砧レジデンス

[所在地] 〒157-0073 東京都世田谷区砧3丁目27−12

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率が高い、埋没谷
浸水 []リスクは大きくないが存在する
建物 []2010年竣工の低層RC造建物
火災 []系統連続性はやや劣る
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約38m~41mの傾斜地(地形的には大部分は「切土地」、一部「台地」)です。敷地の北側が地形的には「傾斜地」に当たりますが、さほど大きな高低差はないようなので、「傾斜地」であることのリスクは少ないと判断します。
また、対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

対象地は、J-SHIS Mapの2つのメッシュにまたがっています。南側の、表層地盤(地表近くの地層)の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.8”、北側のそれは”1.34”となっています。
”1.8”は、都区内の武蔵野台地エリアではかなり高い数値であり、地震の際の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。”1.34”は、都区内の武蔵野台地エリアで優良レベルであり、地震の際の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
敷地の過半は地盤増幅率”1.34”のメッシュに含まれているのですが、このメッシュの周りは地盤増幅率が高い地域(“1.77~1.83”)に囲まれており、このメッシュ内にある公開されたボーリング調査地点の柱状図をみても、地盤増幅率が”1.34”である理由が判然としません。
対象地は、「傾斜地」かつ「埋没谷」の範囲に該当していることも勘案し、地盤リスクは多少あると推察します。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
近隣に対象地と同地形(切土地)のボーリング調査地点はないのですが、北方の台地にあるボーリング調査地点の柱状図では、深度6mほどで固い地層となるものの、深度9mほどでまた柔らかい地層となり、上述した「埋没谷」の影響があることが推察されます。当該地点も、表層地盤増幅率が”1.34”のメッシュ内に位置します。
当該結果や地形等をみても、このメッシュの表層地盤増幅率が”1.34”である理由が判然としません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.8mの浸水可能性の指摘があります。内水氾濫のリスクにしては少し大きな数字です。標高や下水道台帳を確認する限り、そこまで大きな浸水リスクがあるようには見えませんが、用途地域における制限(最高高さ10m)の限度内で4階建相当にするために、地下部分を掘削した影響だと思われます。(現地調査はしておりません。公開情報のみでの推察となります)
また、浸水リスクとしては想定されていませんが、北東方を流れる「谷戸川」沿いで浸水深2mを指摘されている場所と対象地の標高差は約2mです。予想を超える大雨で「谷戸川」が溢れた場合には、想定外の浸水があり得るものと考えておくべきでしょう。
※想定を超える大雨が降った場合には、地下部分を中心に内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2010年2月に竣工した低層RC造建物(地下1階地上3階建)です。施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「大豊建設」です。建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

北東側(幅員約4.1m~6m)及び南側(幅員約6m)で2本の区道と接面している2方路地です。接面部分は、敷地後退して歩道も整備していますが、周辺には幅員4m未満の細街路も多く、対象地から少し広い道路に出るにも、極端に狭い道路はないものの、幅員4m超を維持できる道路もありませんので、系統連続性は「やや劣る」と判断します。
救急車両の通行に支障をきたすほどのリスクは感じないので、火災時の災害リスクは低いと判断しますが、系統連続性が良好な場所と比較したら、多少のリスクは残ります。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回:令和4年9月公表)」によると、「砧3丁目」の地域危険度は“2”(※)となっており、災害に対して比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、砧3丁目は9件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”となっています。

 本マンションの総評

「埋没谷」の範囲に該当し、表層地盤増幅率が高い地域に囲まれた「傾斜地」なので地盤リスクは多少あると判断します。
大きな問題にはならないと思いますが、浸水リスクはある場所です。
2010年竣工の低層RC造建物であり、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性に大きな問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

「傾斜地」「埋没谷の範囲」なので地盤リスクを多少は認めざるを得ません。内水氾濫及び谷戸川の氾濫が想定を超えるリスクも、大きな問題にはならないと思いますが無視はできません。周辺に細街路があるので火災リスクも多少認めます。これらを合算してマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。