【防災力:4】パークハウス市谷柳町

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークハウス市谷柳町


1.大地震が発生しても安全か

地震に比較的強い

対地震 Level  4/5 (大きなリスクなし)
地盤ハザード [3/5]「液状化」に該当
地盤増幅率 [4/5]良好
ボーリング [3/5]良くもないが悪くもない
建物 [5/5]制震構造
【対地震の評価】
地盤
傾斜地リスク及び液状化リスクは残りますが、表層地盤増幅率が良好で、ボーリング調査でも地震時の揺れが増幅するような柔らかい地層はないようなるので、深刻な問題はないと判断します。
建物
制震構造の13階建マンションなので、損壊リスクは低いでしょう。
〔対地震総評〕
地盤に深刻な問題はないと推察される場所に建つ、制震構造の13階建マンションなので、地震時に大きな被害が発生する可能性は低いと判断します。

[所在地] 〒162-0061 東京都新宿区市谷柳町1−4

標高・地形

標高 約21m~26m
地形 谷底低地の傾斜地

傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。
コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、傾斜地は、地震時の揺れが複雑になることもあるようなので、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
大規模な擁壁等の築造は視認できませんが、数mの高低差があるので、傾斜地としてのリスクは無視できません。


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 液状化の可能性がある地域
沖積層 該当なし
埋没谷 該当なし
急傾斜等 該当なし

東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に該当しています。


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 1.45

良好な(低い)数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
近隣にある調査地点では、
6m~7mでN値10を超える地点が多いです。
それ以降一旦固い地層となりますが、深度12m前後にN値10以下の地層が入ります。
支持層の深さは、16m~21mほどのようです。
地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
深度10m過ぎに少し柔らかい地層が入る地点があるので、良い地盤とは言えませんが、浅いうちにそれなりに固い地層となるので、地震時に揺れが増幅するリスクは低いでしょう。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 2009年12月竣工
構造 RC造地下1階地上13階建
施工会社 大豊建設
その他 制震構造

少々複雑な形状であることは気に掛かりますが、制震構造の13階建マンションであることから、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
標高 約21m~26m
地形 谷底低地
浸水深 なし
【対水害の評価】
標高・地形
標高約21m~26m、谷底低地の傾斜地に位置します。
谷底低地は、昔、川が流れることで形成された地形なので、大雨の際は水が集まる傾向があります。
浸水深
浸水可能性は指摘されていません。
〔対水害総評〕
東西の台地に挟まれた谷地に位置しますが、浸水可能性の指摘がないので、大きな浸水リスクはないと判断します。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が発生する可能性があります。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

3.その他の災害リスク

その他 Level  5/5 (特段の災害リスクなし)
接道状況 良好(接面道路幅員16m超)
系統連続性 良好
地域危険度 リスク有
その他

接面道路

南側都道(幅員約16.5m)、南西側区道(幅員約6m)、東側区道(幅員約4.1m~5m)の3本の道路に接面しています。
都道に隣接しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「市谷柳町」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、市谷柳町は3件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
また、近接している外苑東通りと大久保通の交差点である「市谷柳町交差点」は、昔、排気ガスが滞留して健康被害が生じた場所でもあります。現在は、さほど排気ガスが溜まるということはないと思いますが、念のため、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーは避けた方がいいかもしれません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

4.本マンションの総合評価

総合 Level  4/5
[対地震] Level  4/5 (大きなリスクなし)
[対水害] Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
[その他] Level  5/5 (特段の災害リスクなし)

地震リスク
地盤に深刻な問題はないと推察される場所に建つ、制震構造の13階建マンションなので、地震時に大きな被害が発生する可能性は低いと判断します。
水害リスク
東西の台地に挟まれた谷地に位置しますが、浸水可能性の指摘がないので、大きな浸水リスクはないと判断します。
その他リスク
特段の災害リスクなし

⇒傾斜地リスク及び液状化リスクが残るので、防災力を“レベル4”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2025年12月