【防災力:3】パークホームズ西馬込
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 パークホームズ西馬込
[所在地] 〒146-0081 東京都大田区仲池上2丁目21−5
防災力 | Level 3 |
地盤 | [3]沖積層、表層地盤増幅率が非常に高い |
浸水 | [2]氾濫浸水区域内で、約2.5mの浸水可能性 |
建物 | [5]2007年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高6mほど、呑川流域の低地に位置します。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2”です。
●都区内で、東部低地や埋立地エリアを除けば非常に高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある複数の調査地点では、表層はN値0の非常に柔らかい地層ですが、支持層の深さは、10m~12mの地点と18m~22mの地点が散在しています。
●支持層に深度10m~12mで到達するなら、マンション用地として悪くない場所ですが、深度20m前後となると良いとはいえなくなります。
●表層が非常に柔らかく、支持層の深さが把握しづらいので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約2.5mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、赤い線で表示される「呑川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置しており、呑川の河岸より標高が低いくらいであるため、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2007年2月竣工の中層RC造建物(地上6階建)です。
●施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「新日本建設」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●東側(幅員約10.1m)、西側(幅員約6.8m)の2本の区道に接面している2方路地です。
●東側道路は、片側一車線及び歩道が整備された道路であり、国道1号線(第二京浜)へのアクセスは容易なので、系統連続性は良好です。
●また、東側道路は「補助線街路第43号線」に指定され、都市計画道路として整備が進められています。完了しますと、幅員約20mの道路となります。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「仲池上2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、仲池上2丁目は13件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●沖積層エリアに該当する低地で、表層地盤増幅率が非常に高いです。
●ボーリング調査の結果も、あまり良くありません。
●吞川の氾濫浸水区域内に位置し、約2.5mの浸水可能性が指摘されています。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒沖積層エリアに該当し、表層地盤増幅率も非常に高い「低地」なので、地盤リスクの存在を認めます。呑川の氾濫浸水区域内に位置し、最大2.5mの浸水可能性が指摘されていますので、浸水リスクは高いです。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。