【防災力:4】パークホームズ日本橋時の鐘通り

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークホームズ日本橋時の鐘通り

[所在地] 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町4丁目10−10

防災力 Level 4
地盤 []液状化、地盤増幅率及びボーリング調査が良くない
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []概ねシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高5mほど、東京東部の低地帯に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.71”です。
標準より高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
深度4mほどでN値10を超えます。
ただ、一旦固い地層となる地点も、それ以降柔らかくなり、深度20mほどまでN値10未満のやや柔らかい地層が続きます。
支持層の深さは、25m~30mほどのようです。
地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性は高いです。
周辺の地点も、概ね同様の地盤で、支持層の深さは22m~25mほどのようです。
表層面に問題はないですが、深度20mほどまでやや柔らかい地層が続き、液状化の可能性も高いので、地盤の良い場所とはいえません。

浸水リスク

荒川・隅田川等の氾濫により0.5m未満の浸水可能性が指摘されています。
対象地の隅田川河岸との標高差は、3mほどです。
昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ますが、浸水可能性の数値は低いので、大きな浸水リスクはないと判断します。

【荒川・隅田川等が氾濫した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

 建物

2022年10月竣工のRC造地下2階地上18階建です。
施工会社は、中堅ゼネコンの「銭高組」です。
縦長ですが、概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

北東側(幅員約8m)、南東側(幅員約6m)の2本の区道に接面する角地です。
接面道路は一方通行路ですが、昭和通り(国道)や江戸通り(国道)との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「日本橋本町4丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、日本橋本町4丁目は2件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
首都高速1号線及び昭和通り(国道)に近接しているので、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

「液状化」「沖積層」「埋没谷」エリアに該当する、東京東部の低地帯に位置します。
表層地盤増幅率が標準より高い数値です。
ボーリング調査でも、地盤の良い場所ではないことが把握されます。
洪水で0.5m未満の浸水可能性が指摘されるにとどまります。
概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化」「沖積層」「埋没谷」エリアに該当する低地に位置し、表層地盤増幅率が標準より高い上に、ボーリング調査も良い結果ではないので、地盤リスクがそれなりにある場所です。洪水リスクがないとは言い切れない立地ですが、浸水可能性の数値が小さいので、大きな浸水リスクはないと判断します。よって、防災力を“レベル4”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。