【防災力:5】パークマンション三田綱町ザ・フォレスト

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークマンション三田綱町ザ・フォレスト

[所在地] 〒108-0073 東京都港区三田2丁目1−28

防災力 Level 5
地盤 []ボーリング調査が比較的良好
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []どっしりとした形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

建物部分の標高は約7m~10m(敷地の標高は約7m~15m)、敷地は「台地」「台地斜面」「谷底低地」にまたがる傾斜地です。
建物部分の過半が位置する「台地斜面」は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
ただ、大規模な擁壁等の築造は視認できないので、大きな傾斜地リスクはないと判断します。(敷地の高低差は約8mと大きいので、実査等により評価が変わる可能性があります)
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.56”です。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺の調査地点を見ると、大まかには
谷底低地にある地点では、深度7mほどで支持層となる場所があります。
台地にある地点では、深度10mを超えてもN値2の柔らかい地層がある場所があります。
谷底低地の地盤は、マンション用地としては良好といえるものですが、台地の地盤はさほど良くありません。
本件マンションは、谷底低地に近いところに建っているので、大きな地盤リスクはないのではないかと推察します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2015年12月竣工のRC造地下1階地上11階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「鹿島建設」です。
少し複雑な形状ですが、どっしりとしているので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

東側(幅員約8m~8.6m)、南側(幅員約5.3m)の2本の区道に接面する2方路地です。
東側道路は一方通行路、南側道路は行き止まりなので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「三田2丁目」の地域危険度は“1”(※)となっており、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、三田2丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
「慶應義塾綱町グラウンド」が近接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

埋没谷の範囲に該当する傾斜地ですが、ボーリング調査からは大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
浸水可能性は指摘されていません。
どっしりとした形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

埋没谷の範囲に該当する傾斜地ですが、周辺のボーリング調査をみる限り、地盤に問題がない可能性が高いので、大きな地盤リスクはない場所であると推察します。その他の浸水リスク、建物損壊リスク、火災リスクのいずれも低いことから、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。