【防災力:2】西早稲田シティタワー

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守れる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 西早稲田シティタワー


[所在地] 東京都新宿区西早稲田1丁目23-16

防災力 Level 2
地盤 []ボーリング調査から液状化の懸念
浸水 []神田川沿いで、最大2m超の浸水可能性
建物 []1999年竣工の細長いタワー形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高は8mほど、すぐ北に神田川が流れている谷底低地に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.35~1.44”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺の調査地点では、
深度5mほどで、N値20超の固い地層となるようです。
支持層の深さが12m~16mほどと比較的浅い可能性があります。
地下水位の下に砂質の地層がみられるので、液状化の可能性があります。
支持層が比較的浅いので、地盤の固さに問題はないと思いますが、液状化の懸念があるので、地盤が良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大2m超の浸水可能性が指摘されています。
対象地は、赤い線で表示される「神田川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置しており、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

建物

1999年3月竣工のRC造地下1階地上23階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「竹中工務店」です。
細長いタワー形状の建物であることから、大地震時の損壊リスクがないとは言えません。
タワーは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワーというだけでマイナス1の対象となります。
建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。また、タワー形状の建物の場合は、築15年~20年経ったら、耐震診断も実施した方がいいようです。

接面道路

南側都道(幅員27m超)、北側区道(幅員約4m)の2本の道路と接面している2方路地です。
新目白通り(都道)と接面していることから、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西早稲田1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西早稲田1丁目は22件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
交通量の多い新目白通りに隣接していることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

神田川の流域(谷地)にありますが、表層地盤は悪くありません。
ボーリング調査では、液状化の可能性があるように見えます。
浸水リスクについては、神田川の氾濫という、大きなリスクを抱えています。
細長いタワー形状の建物であることから、大地震時の損壊リスクがないとは言えません。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

ボーリング調査では液状化が懸念される結果となったので、地盤リスクは多少あると考えます。神田川沿いなので、浸水リスクは大きく、また、築20年超の縦に細長いタワー形状の建物であることから損壊リスクがないとは言えません。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。