【防災力:5】ライオンズ 浜田山セントマークス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ライオンズ浜田山セントマークス
[所在地] 〒168-0065 東京都杉並区浜田山4丁目16−4
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]地盤増幅率に問題のない「高台の平坦地」 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクはない |
建物 | [4]スーパーゼネコンが施工したRC造建物 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約46m~47mの台地です。「高台の平坦地」といえる場所です。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.54”です。
●都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、
▼深度7m~8mほどに柔らかい地層があります。
▼深度16m~17mほどで再度少し柔らかい地層が表れる地点があります。
▼支持層までの表記がなく、支持層の深さは把握できません。
●深度8mほどに柔らかい地層があり、その下にも柔らかい地層が混在する可能性があり、支持層の深さが把握できないので、地盤の良い場所とは言えません。
●ただ、全体的には非常に柔らかい地層が連続することはないので、地震時の揺れが大きくなるようなリスクも感じません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
敷地境界付近に0.1mほどの浸水可能性が指摘されていますが、地形や標高からみて、敷地全体に大きな影響を与えることはないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2005年12月竣工のRC造建物(地下1階地上13階)です。
●施工会社は、スーパーゼネコンである「鹿島建設」です。
●準工業地域に存する13階建の部分と、第一種低層住居専用地域に存する3~4階建の低層部分に分かれています。
●準工業地域に存する西側の建物の形状は少し複雑なものとなっています。
●当該建物は、高い部分で9階建ですし、大きなリスクはないと思いますが、低層建物部分と比較したら損傷リスクはあると考えます。
●耐震性につき、「耐震余裕度1.25倍」を謳っています。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいて制定された「耐震等級」で表示しない理由が不明(※)ですが、耐震等級1の建物よりは耐震性が高いと推定し、全体としての建物損壊リスクは低いと判断します。
(※)大京穴吹不動産に問い合わせたところ 「耐震余裕度1.25倍とは建築基準法に定められた基準値(余裕度1.0倍)に対する比率を指しており、新築販売時の住宅性能評価において[耐震等級2級]と同等を意味しております。」 との回答でした。 要は、国土交通省が指定する住宅性能評価機関の検査は受けておらず(もしくは受けたけれど認定が取れなかった)、『耐震等級”2”』とは謳えないですが、社内基準では「耐震等級2と同等」ということなのだと解釈しました。 耐震等級”1”の建物より丈夫に造られていることは間違いがないでしょう。 |
接面道路
●南西側都道(幅員約16.5m)、南東側区道(幅員約6m)、北東側区道(幅員約6m)の3本の道路と接面する3方路地です。
●南東側区道は、一部幅員が4.4mほどになる箇所がありますが、対象地側に敷地後退をして歩道を整備しており、特に危険を感じるようなことはありません。
●北東側区道の車道部分の幅員は4mほどですが、こちらも対象地側に敷地後退をして整備した歩道があり、安全に通行できる道路となっています。
●井之頭通り(都道)と接面しており、系統連続性は良好と判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「浜田山4丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、浜田山4丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が比較的良好な「高台の平坦地」に位置します。
●ボーリング調査は、あまり良くありませんが、深刻なリスクも見出せません。
●大きな浸水リスクはないでしょう。
●耐震等級”2”相当の建物であり、損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒表層地盤が比較的良好で、ボーリング調査でも深刻なリスクは見られない「高台の平坦地」に位置しますので、大きな地盤リスクはないと判断します。その場所に建つ、耐震等級”2”相当の建物なので、損壊リスクは低いでしょう。浸水リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。