【防災力:4】ライオンズガーデン成増
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ライオンズガーデン成増
[所在地] 〒179-0071 東京都練馬区旭町3丁目8−3
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]擁壁を築造している傾斜地 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [3]1階レベルが階段状 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約23m~29m、台地と谷底低地に挟まれた傾斜地です。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
●また、北側隣地との境界に高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地の大部分が含まれています。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.19~1.26″です。
●都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
敷地内及び近隣の同地形に公開されたボーリング調査地点はありません。
※対象地や隣接地のボーリング調査の結果等が明らかになり地盤への影響が判明した場合には、地盤リスクの評価を見直す可能性があります。
浸水リスク
●敷地の周縁部に約0.2mの浸水可能性が指摘されていますが、これは北側にある擁壁の下に対する指摘だと認識します。
●当該浸水可能性の指摘が、敷地全体に大きな影響を及ぼすことはないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●1994年5月竣工の低層RC造建物(地上4階建)です。
●施工会社は、マンション建設に実績のある「村中建設」です。
●上から見ると複雑な形状をしている上、敷地の高低差に合わせて1階レベルに段差があるように見えます。平坦地にある建物と比較したら、損傷リスクを多少認めます。
●また、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。
接面道路
●南側(幅員約4m~5.2m)、東側(幅員約6m)の2本の区道に接面する角地です。北側にも通路があるので、3方路地のような接道状況です。
●幹線道路まで直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「旭町3丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、旭町3丁目は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●敷地の大部分が「液状化の可能性がある地域」に該当する傾斜地です。
●大きな浸水リスクはないでしょう。
●1階レベルに段差があるようなので、建物損傷リスクを多少認めます。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒「液状化の可能性がある地域」に敷地の大部分が含まれる傾斜地で、擁壁があるのは液状化が指摘されている場所なので、地盤リスクは顕在です。建物も、敷地の高低差に合わせて1階レベルに段差があるようなので、損傷リスクを多少認めます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。