【防災力:4】神楽坂トワイシアパークサイドレジデンス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守れる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 神楽坂トワイシアパークサイドレジデンス
防災力 | Level 4 |
地盤 | [4]表層地盤増幅率が良好な台地(一部切土地) |
浸水 | [4]敷地の一部に約0.9mの浸水可能性 |
建物 | [4]2003年竣工の低層RC造建物 |
火災 | [3]系統連続性はやや劣る |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高20mほどの台地(一部切土地)に位置します。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
●白銀町の台地付近は、1923年の関東大震災の際、推定震度が「5弱」と比較的揺れが抑えられた場所だったと推定されています。(参考資料:武村雅之名古屋大学教授「1923年関東地震による東京都中心部(旧15区内)の詳細震度分布と表層地盤構造」)
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.4~1.41”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●西方の同地形(台地)にある調査地点では、深度15m超までN値が4程度の柔らかい地層が続いています。
●支持層までの表記がなく、支持層の深さは把握できません。
●深度15m過ぎまで柔らかい地層が続き、支持層が浅くはなさそうなので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部に0.9mほどの浸水可能性が指摘されています。内水氾濫のリスクとしては少し大きな数値です。東京都下水道局の下水道台帳を閲覧しても、当該箇所に雨水が集中する理由は見当たりません。
●一方、北西側接面道路は当該指摘箇所付近の標高が一番低くなっているようです。そのため、大雨が降った場合には雨水が集中する可能性があるという判断になっていると推察します。
●ただ、当該指摘箇所は敷地の周縁部ですので、全体に大きな影響を与えることはないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2003年12月に竣工した低層RC造建物(地上5階建)です。
●施工会社は、スーパーゼネコンの「大林組」です。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接面道路
●北西側(幅員約4.9m~5.5m)、北東側(幅員約4m~4.4m)、南西側(幅員約3.4m)の3本の区道に接面する3方路地です。
●周辺にある都道まで距離は近いのですが、そのアクセスの途中で幅員4mを切る道路が多いので、系統連続性は「やや劣る」と判断します。
●ただ、北西側接面道路を北方に進むと幅員約4.1mが一番狭い箇所となっており、消防等の緊急車両の通行に支障があるほどのリスクはないものと判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「白銀町」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、白銀町は6件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●南東側に白銀公園が隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が良好な台地(一部切土地)ですが、近隣のボーリング調査結果は良くありません。
●大きな浸水リスクはないと判断するものの、0.9mの浸水可能性というのは少し大きな数字です。
●低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いです。
●緊急車両の通行等に支障はないものと判断しますが、系統連続性はやや劣ると判断します。
⇒近隣のボーリング調査結果、少し深めの浸水可能性の指摘、系統連続性はやや劣るなど、それぞれ大きなリスクには繋がらないとは思いますが少しずつリスクがあるので、合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。