【防災力:4】グランツオーベル中野
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 グランツオーベル中野
1.大地震が発生しても安全か
対地震 | Level 5/5 (被災リスク小) |
地盤ハザード | [5/5]該当なし |
地盤増幅率 | [5/5]優良レベル |
ボーリング | [4/5]深刻な問題はなし |
建物 | [5/5]2020年竣工の低層RC造建物 |
【対地震の評価】 [地盤] ●表層地盤増幅率が優良レベルである上に、ボーリング調査でも、深刻な問題はみられないので、大きな地盤リスクはないと判断します。 〔建物〕 ●2020年竣工の低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。 〔対地震総評〕 ●大きな地盤リスクがないと推察される場所に建つ、2020年竣工の低層RC造建物なので、建物が損傷する可能性は低いでしょう。 |
[所在地] 東京都中野区中野5丁目26−3
標高・地形
標高 | 約35m~37m |
地形 | 台地から低地に至る傾斜地(地形的には切土地) |
●敷地に多少の高低差はありますが、大規模な擁壁の築造等はなく、大きな傾斜地リスクはないと判断します。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
地盤ハザード(災害危険)エリア
液状化 | 該当なし |
沖積層 | 該当なし |
埋没谷 | 該当なし |
急傾斜等 | 該当なし |
表層地盤増幅率
表層地盤増幅率 | 1.34 |
●都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内及び近隣の同地形(切土地)に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺の調査地点を見ると、
▼表層はN値1の非常に柔らかい地層が入る地点と、N値5以上ある問題のない地点とが散在します。
▼深度7m~10mの下は固い地層となりますが、十数mで再度少し柔らかい地層が挟まる地点が複数あります。
▼支持層までの表記がなく、支持層の深さは把握できません。
●周辺に深いところまで表記のある柱状図がないため、地中深くについては把握できません。
●ただ、比較的浅いうちに固い地層となるようなので、大きな地盤リスクはないと判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
建物
築年 | 2020年9月竣工 |
構造 | 低層RC造建物(地下1階地上5階建) |
施工会社 | 鍛冶田工務店 |
その他 | - |
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か
対水害 | Level 4/5 (大きな浸水リスクなし) |
標高 | 約35m~37m |
地形 | 台地から低地に至る傾斜地(地形的には切土地) |
浸水深 | [内水氾濫等]0.1mほど |
【対水害の評価】 [標高・地形] ●標高約35m~37mの傾斜地に位置します。 〔浸水深〕 ●内水氾濫等により、敷地の周縁部に0.1mほどの浸水可能性が指摘されています。 〔対水害総評〕 ●標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。 ●ただ、南側接面道路は、昔の川筋に掛かっており、予想を超える大雨が降った場合には、想定を超えて浸水する可能性があります。 |
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
3.その他の災害リスク
その他 | Level 2/5 (災害リスク大) |
接道状況 | やや劣る(接面道路幅員4m以下) |
系統連続性 | 劣る(周辺に狭隘道路) |
地域危険度 | 災害リスクが多少残る地域 |
その他 | - |
接面道路
●西側(幅員約4m)、南側(幅員約3.3m~4m)の2本の区道と接面する2方路地です。
●接面区道も狭い箇所があり、周辺にも狭隘道路が広がっているので、接道状況及び系統連続性は劣ります。
●大型ポンプ車などの緊急車両が迅速に近付くのが難しいかもしれません。火災時に消火に時間が掛かったり、緊急搬送が遅れたりといったリスクは、相対的に大きいと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「中野5丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、中野5丁目は259件となっており、治安は“5段階で5番目の最悪レベル”です。
4.本マンションの総合評価
総合 | Level 4/5 |
[対地震] | Level 5/5 (被災リスク小) |
[対水害] | Level 4/5 (大きな浸水リスクなし) |
[その他] | Level 2/5 (災害リスク大) |
【地震リスク】
大きな地盤リスクがないと推察される場所に建つ、2020年竣工の低層RC造建物なので、建物が損傷する可能性は低いでしょう。
【水害リスク】
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。
【その他リスク】
接道状況及び系統連続性に劣るため、火災時の災害リスクはそれなりに大きいと考えます。
⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。
(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。