【防災力:4】グランドメゾン三軒茶屋
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 グランドメゾン三軒茶屋
[所在地] 〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2丁目13−20
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]埋没谷の影響がみられる |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [4]大きな損壊リスクなし |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約33m~34mの台地に位置します。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震時の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.62”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
▼深度5mほどまではN値0などの非常に柔らかい地層が続きます。
▼深度10mほどでN値50超となりますが、14mほどでN値3の地層となります。
▼埋没谷の影響と推察されるN値10未満の地層が深度21m過ぎまで続きます。
▼支持層の深さは22m余りのようです。
●周辺にある調査地点では、
▼深度8m~10mほどまでは柔らかい地層が続きます。
▼同様の埋没谷の影響がみられます。
▼支持層の深さは、23mほどのようです。
●表層も柔らかいですが、埋没谷の影響と見られる柔らかい地層が地中の深いところまで続くので、地盤の良い場所ではありません。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●1998年3月竣工のRC造地下1階地上14階建です。
●施工会社は、準大手ゼネコンの「戸田建設」です。
●シンプルとはいえない形状ですが、リスクを感じるほどの複雑な形ではなく、大きな損壊リスクはないでしょう。
●ただ、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。
接面道路
●南東側国道(幅員約30m)に接面している中間画地です。
●玉川通り(国道)に面しているため、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「三軒茶屋2丁目」の地域危険度は”2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、三軒茶屋2丁目は75件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。
●玉川通り及び首都高速3号渋谷線沿いであることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。
【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が標準的な台地に位置します。
●ボーリング調査では、埋没谷の影響がみられ、地中の深いところまで柔らかい地層が続いています。
●浸水可能性は指摘されていません。
●リスクを感じるほどの複雑な形状ではなく、大きな建物損壊リスクはないでしょう。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒台地に位置しますが、ボーリング調査では埋没谷の影響がみられ、地中の深いところまで柔らかい地層が続いていることが把握されるので、地盤リスクを無視できません。建物は、シンプルとはいえない形状ですが、リスクを感じるほどの複雑な形ではないので、大きな損壊リスクはないでしょう。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。