【防災力:4】グランド・ガーラ神田

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 グランド・ガーラ神田

[所在地] 〒101-0046 東京都千代田区神田多町2丁目6−2

防災力 Level 4
地盤 []沖積層、埋没谷、ボーリング調査も良くはない
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []複雑な形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高5mほど、砂州に位置します。
砂州は、「過去の海岸、湖岸付近にあって波浪、沿岸流によってできた砂礫からなる微高地」です。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.49”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺の同地形(砂州)にある調査地点では、
深度20mほどまでN値10以下の柔らかい地層が続きます。
深い部分の柔らかい地層は、「埋没谷」の影響である可能性があります。
支持層の深さは、21m~26mほどのようです。
深度20mほどまで柔らかい地層が続くので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2007年2月竣工のRC造地下1階地上13階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「安藤建設(現:安藤・間)」です。
上から見ると複雑な形状です。エキスパンションジョイントを使っている箇所もあるようですが、シンプルな形状の建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。

 接面道路

西側(幅員約14.9m)、南側(幅員約11m)、東側(幅員約5.9m)の3本の区道に接面する3方路地です。
幹線道路との接続に支障となる箇所はありませんが、接面道路を始めとして、周辺に一方通行路が多いので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「神田多町2丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、神田多町2丁目は9件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

砂州に位置し、沖積層及び埋没谷のエリアに該当します。
ボーリング調査も、あまり良い結果ではありません。
浸水可能性は指摘されていません。
複雑な形状なので、多少の建物損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

沖積層及び埋没谷のエリアに該当する砂州に位置し、ボーリング調査もあまり良くないので、地盤リスクをある程度計上します。建物も、複雑な形状なので、多少の損傷リスクを認めます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。