【防災力:3】ガーデンヒルズ四ツ谷 迎賓の森
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ガーデンヒルズ四ツ谷 迎賓の森
防災力 | Level 3 |
地盤 | [3]液状化リスク、沖積層、埋没谷 |
浸水 | [3]谷地なので、想定を超える浸水があり得る |
建物 | [5]2016年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高は約17m~18m、台地に囲まれた谷底低地に位置します。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地が含まれています。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲にも該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ [東京都建設局] → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.41”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●対象地と同地形(谷底低地)にある複数の調査地点を調査したところ、支持層となる固い地層は深度20m超にならないと表れない場所もありますが、深度10mほどで支持層が表れる場所もあります。
●また、表層面も、非常に柔らかい地層は少なく、深度5mほどでN値5ほどの固さがある場所が多く、地盤の固さは良いとはいえませんが、さほど悪くない印象を持ちました。
●ただ、液状化の可能性が把握できる地点も複数あるので、液状化リスクは否定できないと考えます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大0.8m程度の浸水可能性が指摘されています。
●敷地付近は、周囲を台地に囲まれた谷底低地であり、周囲の水が集まりやすい場所です。
●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2016年11月竣工の中層RC造建物(地下2階地上7階建)です。
●施工会社は、準大手ゼネコンの「西松建設」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●南東側都道(幅員約21m)、北東側区道(幅員約15m)の2本の道路に接面する角地です。
●都道に接面していることから、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「南元町」の地域危険度は”2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、南元町は7件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●すぐ北側に公園があるので、騒がしく感じることがあるかもしれません。
本マンションの総評
●「液状化の可能性のある地域」「沖積層」「埋没谷」に該当し、地盤リスクの存在を顕著に感じる場所です。
●表層地盤増幅率は良好ですが、周辺のボーリング調査でも液状化の可能性が把握できる地点があります。
●浸水想定は最大0.8mですが、標高や地形からみて、想定を超える浸水被害は有り得ます。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒「液状化の可能性のある地域」「沖積層」「埋没谷」に該当する谷底低地に位置し、周辺のボーリング調査でも液状化の可能性を認識できる地点があることから、地盤リスクがないとはいえません。浸水リスクも無視できないので、防災力は“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。