【防災力:2】ファミール日本橋グランスイートプラザ

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ファミール日本橋グランスイートプラザ

[所在地] 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町2丁目7−2

防災力 Level 2
地盤 []液状化、ほぼ軟弱地盤
浸水 []洪水0.5m~3m未満
建物 []概ねシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高4m前後、東京東部の低地帯に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.57~1.59”です。
都区内では標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
近隣にある調査地点では、
深度15m~17mほどまで、N値4以下の柔らかい地層が続いています。
深度20m~25mほどまで、N値10未満の少し柔らかい地層が続きます。
支持層の深さは24m~29mほどのようです。
地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
地中の深いところまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性もあるので、ほぼ「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

荒川・隅田川等の氾濫により0.5m~3m未満の浸水可能性が指摘されています。
対象地は、隅田川の河岸との標高差も2mほどしかありません。
昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。

【荒川・隅田川等が氾濫した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

 建物

2002年3月竣工のRC造地下1階地上14階建です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「不動建設(現:ナカノフドー建設)」です。
概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

南東側(幅員約16m)、北東側(幅員約11m)、北西側(幅員約8m)の3本の区道と接面する3方路地です。
接面道路は一方通行路ですが、周辺にある幹線道路等との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「日本橋堀留町2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、日本橋堀留町2丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

東京東部の低地帯に位置し、「液状化の可能性がある地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当します。
表層地盤増幅率は標準的な数値です。
ボーリング調査では、ほぼ「軟弱地盤」であることが把握できます。
洪水で0.5m~3m等の浸水可能性等が指摘されています。
概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

ボーリング調査で、ほぼ「軟弱地盤」であることが把握されるので、地盤リスクは大きいです。洪水リスクも認められるので、浸水リスクも計上します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。