【防災力:4】ファミール池袋本町

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ファミール池袋本町


[所在地] 〒170-0011 東京都豊島区池袋本町4丁目46−18

防災力 Level 4
地盤 []ボーリング調査はいま一つ
浸水 []川筋で、最大1.8mの浸水可能性
建物 []全体的にどっしりとした形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約23m~24m、昔の谷端川流域に当たる谷底低地に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.34”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
深度4mでN値10近くとなります。
深度5m過ぎにはN値30を超え、深度10mほどでN値50超となります。
ただ、深度14mほどでまたN値22~24の地層となってしまいます。
周辺にある調査地点を見てみると、支持層に到達するのは深度23m~30mほどとかなり深くなるようです。また、支持層より上の部分も、一度固い層となってから、再度柔らかい層が入るという「埋没谷エリア」のような地層となっています。
これらの結果は、マンション用地としてはあまり良い地盤ではありません。
ただ、非常に柔らかい地層も少ないので地震時の揺れを増大させるようなリスクも感じません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?(本物件は該当しませんが参考まで)

浸水リスク

最大1.8mほどの浸水可能性が指摘されています。
敷地は、暗渠となっている谷端川の川筋に位置します。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1997年3月竣工のSRC造地下1階地上10階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「間組(現:安藤・間)」です。
建物は、セットバックが行われ階段状になっていますが、全体的にはどっしりとした形状であることから、損壊リスクは低いと判断します。
ただ、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

南東側(幅員約6.4m~7.1m)、北側(幅員約4.5m)の2本の区道と接面する2方路地です。接道部分のほとんどで、敷地後退をして歩道を整備しています。
北方の国道17号線まで広い幅員を保ったまま直線的にアクセスできる道路はないため、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「池袋本町4丁目」の地域危険度は“3”(※) であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、池袋本町4丁目は19件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
東武東上線の線路が隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が優良レベルの谷底低地に位置します。
ボーリング調査は、あまり良い結果ではありません。
昔の川筋で、約1.8mの浸水可能性が指摘されています
全体的にはどっしりとした形状の建物であり、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

表層地盤増幅率は優良レベルですが、ボーリング調査はあまりいい結果ではなく、多少の地盤リスクを感じます。暗渠となっている谷端川の川筋に位置し、約1.8mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。これらを総合的に判断し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。