【防災力:3】クレヴィア本郷
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 クレヴィア本郷
[所在地] 〒113-0033 東京都文京区本郷4丁目24−7
防災力 | Level 3 |
地盤 | [3]液状化、沖積層エリア |
浸水 | [3]昔の川筋で、最大1.8mほどの浸水可能性 |
建物 | [4]少し縦長かつ複雑な形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高6m前後、昭和初期に埋められた小石川の流域にある谷底低地に位置します。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.43”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●西側接面道路付近にある調査地点では、
▼深度7m過ぎまでN値0の非常に柔らかい地層が続きます。
▼一旦固い地層が挟まりますが、深度13m~18mほどにN値20を切るくらいの少し柔らかい地層があります。
▼支持層には深度23m過ぎに到達するようです。
●浅い部分が非常に柔らかく、支持層もそれなりに深いので、地盤が良い場所ではありません。
●地下水位は0mと浅いですが、その下にある砂質の地層はN値20を超えているものが多いので、大きな液状化リスクはないと推測します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約1.8mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、昔の小石川流域に位置しているため、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2008年12月竣工のRC造地上14階建です。
●施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「奥村組」です。
●建物は、少し縦長で複雑な形状をしています。横長でシンプルな形状の建物と比較すると、多少の建物損傷リスクを認めます。
接面道路
●西側都道(幅員約39.8m)、南側私道、北側私道の3本の道路と接面している3方路地です。
●都道と接面しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「本郷4丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、本郷4丁目は25件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。
●白山通り沿いであることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。
【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由
本マンションの総評
●「液状化の可能性がある地域」かつ「沖積層」エリアで、近隣のボーリング調査も良くありません。
●昔の小石川の川筋に位置し、約1.8mの浸水可能性が指摘されています。
●少し縦長かつ複雑な形状なので、建物損傷リスクを多少認めます。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒「液状化の可能性がある地域」かつ「沖積層」エリアで、近隣のボーリング調査も良くないため、地盤リスクを感じる場所です。昔の小石川の川筋に位置し、約1.8mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。建物も、少し縦長かつ複雑な形状となっています。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。