【防災力:4】シティハウス中目黒ステーションコート

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 シティハウス中目黒ステーションコート

[所在地] 〒153-0043 東京都目黒区東山1丁目6−5

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率及びボーリング調査が良好
浸水 []氾濫浸水区域内で、最大1.3mほどの浸水可能性
建物 []全体的にシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約10m~11m、目黒川流域の谷底低地に位置します。北東方にある目黒川の沿道とほとんど標高差がありません。
敷地の一部は最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
更に、対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.29”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
比較的近隣にある調査地点では、深度8m~10mほどで支持層に達するようです。
上述した埋没谷の痕跡は近隣のボーリング調査からは見られませんでした。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大1.3mほどの浸水可能性が指摘されています。
対象地は、赤い線で表示される「目黒川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置しており、河岸と標高差がほとんどないことから、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2017年8月に竣工したRC造地上15階建です。
施工会社は、分譲した住友不動産系列の「住友不動産シスコン」です。マンション建設の実績は(当時は)多くない会社ですが、特に問題となる点はないだろうと判断します。
形状は、少し縦長のようですが、リスクを感じるほどではありません。

 接面道路

北東側都道(幅員約23m)と接面している中間画地です。
山手通り(都道)に面しているので、系統連続性は良好です。
道路幅員及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「東山1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、東山1丁目は21件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
山手通り沿いであることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。(ファミリーで住むような部屋はあまり多くはありませんが)

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

表層地盤増幅率は優良レベルで、ボーリング調査も良好な結果です。
浸水リスクについては、目黒川の氾濫という、大きなリスクを抱えています。
全体的にシンプルな形状の建物であり、大きな損壊リスクはないでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が優良レベルで、近隣のボーリング調査も良好な結果であることから、地盤リスクは低いと判断します。目黒川の氾濫浸水区域内で、約1.3mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。