【防災力:4】シティテラス代々木公園
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 シティテラス代々木公園
[所在地] 〒151-0053 東京都渋谷区代々木5丁目14−19
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]埋没谷、表層地盤増幅率が高い |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [4]全体的にシンプルかつどっしりとした形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高25m~27mの谷底低地に位置します。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.72”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●西側で敷地と隣接している調査地点:
▼深度7m過ぎまでN値0~1の非常に柔らかい地層が続きます。
▼その後は徐々に固くなり、支持層には深度十数mで到達するようです。
●表層面が非常に柔らかいので地盤が良いとはいえませが、支持層がさほど深くはないので、マンション用地としてはそれほど悪い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部(北側)に約0.9mの浸水可能性が指摘されています。
●内水氾濫としては、少し大きな数値です。指摘箇所付近は機械式駐車場となっており、駐車場の地下部分を掘削したことが反映されているものと推察します。これが、敷地全体に大きな影響を及ぼすことはないと判断します。
●対象地は、初台川(宇田川初台支流)の川筋である谷底低地に位置し、川筋の浸水域が敷地の南西部をかすめています。川筋とほとんど標高差もないことから、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。
●谷底低地というのは、昔、川が流れていたから谷底低地という地形になったのです。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2014年1月竣工のRC造地下1階地上11階建です。
●施工会社は、準大手ゼネコンの「三井住友建設」です。
●全体的にシンプルかつどっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●西側都道(幅員約40m)、北側区道(幅員約3.7m)、東側私道の3本の道路に接面している3方路地です。
●山手通り(都道)沿いなので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「代々木5丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、代々木5丁目は49件となっており、治安は“5段階で4番目の治安が悪いレベル”です。
●山手通り沿いであり、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。
【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由
本マンションの総評
●埋没谷の範囲に該当し、表層地盤増幅率が高い谷底低地に位置します。
●ボーリング調査では、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
●初台川の川筋である谷底低地に位置するので、浸水被害の可能性がないとすることはできません。
●全体的にシンプルかつどっしりとした形状の建物であり、損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒埋没谷の範囲に該当し表層地盤増幅率も高いので、ボーリング調査の結果は悪くないですが、地盤リスクをないとすることはできません。初台川の川筋である谷底低地に位置するので、浸水リスクも多少感じる場所です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。