【防災力:5】グランドメゾン恵比寿の杜
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 グランドメゾン恵比寿の杜
[所在地] 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目23−6
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]ボーリング調査は悪くない |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [4]制震構造 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約15m~19mの台地に位置します。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.44~1.59”です。
●都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地付近のボーリング調査地点では、
▼表層はN値4以上あるようです。
▼深度14m過ぎまでN値5前後の地層が続きます。
▼深度15m過ぎにN値50超となりますが、柱状図の表記が18mまでしかなく、この地層が支持層かどうかは不明です。
●周辺の調査地点では、支持層の深さが深度18m~22mほどです。
●これらの柱状図の形状から推測するに、敷地付近の支持層は、深度15m過ぎにN値50超となる地層と考えても問題がなさそうです。
●表層面に問題がなく、支持層もさほど深くはないので、マンション用地として問題の少ない場所といえるでしょう。
●深度十数mにある柔らかい地層は、埋没谷の影響によるものと思われますが、比較的浅い場所なので、大きな影響はないと判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部に約0.7mの浸水可能性の指摘があります。
●内水氾濫の可能性としては、少し深い浸水リスクですが、指摘された箇所は、地下駐車場へ至るスロープの辺りであると推察されます。
●地下部分への浸水に対する注意は必要ですが、標高や地形からみて、全体に大きな影響を与えることはないと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
▼メイン棟:2003年11月竣工、制震構造のRC造地下3階地上23階建
▼センターレジデンス棟:2005年2月竣工のRC造地上8階建
▼フロントレジデンス棟:2005年1月竣工のSRC造地下1階地上12階建
●施工会社は、スーパーゼネコンの「竹中工務店」です。
●メイン棟は少し縦に長いですが、制震構造を採用しているので、躯体が大きく損壊するリスクは低いのではないかと判断します。
接面道路
●南東側(幅員約15.3m) 、南西側(幅員約7.6m~8.8m)、北側(幅員約3.6m~4m)の3本の区道に接面する3方路地です。
●北方の都道に近接しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「恵比寿4丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、恵比寿4丁目は23件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率に問題のない台地ですが、埋没谷エリアに該当します。
●敷地付近のボーリング調査では、大きな地盤リスクの兆候は見られませんでした。
●大きな浸水リスクはないと判断します。
●制震構造のRC造建物なので、建物損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒埋没谷の範囲に該当しますが、表層地盤増幅率に問題のない台地で、敷地付近のボーリング調査結果からも深刻な問題は見られなかったので、地盤リスクは低いと判断します。建物も、スーパーゼネコンが施工した制震構造なので、建物損壊リスクは低いでしょう。浸水リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。