【防災力:4】シティテラス荻窪
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 シティテラス荻窪
1.大地震が発生しても安全か
| 対地震 | Level 4/5 (大きなリスクなし) |
| 地盤ハザード | [3/5]「液状化」に該当 |
| 地盤増幅率 | [0/5]かなり高い |
| ボーリング | [4/5]浅いうちに固い地層 |
| 建物 | [5/5]2017年竣工の低層RC造建物 |
| 【対地震の評価】 [地盤] ●表層地盤増幅率がかなり高い谷底低地に位置しますが、ボーリング調査で浅いうちに固い地層となることが推察されるので、深刻な問題はないと判断します。 〔建物〕 ●2017年竣工の低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。 〔対地震総評〕 ●深刻な地盤リスクはないと推察される場所に建つ、低層RC造建物なので、地震が発生しても大きな被害が発生する可能性は低いでしょう。 |
[所在地] 〒167-0051 東京都杉並区荻窪3丁目7−24他
標高・地形
| 標高 | 41mほど |
| 地形 | 善福寺川流域の谷底低地 |

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
地盤ハザード(災害危険)エリア
| 液状化 | 液状化の可能性がある地域 |
| 沖積層 | 該当なし |
| 埋没谷 | 該当なし |
| 急傾斜等 | 該当なし |
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地が含まれています。

※ [東京都建設局] → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
| 表層地盤増幅率 | 1.9 |
●かなり高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南方で近接する調査地点では、
▼深度7m過ぎにN値50超となりますが、深度16m過ぎにN値20に下がります。
▼柱状図に16m以深の表記がないため、深い部分の状況は不明です。
▼地中に砂質の柔らかい地層は少ないので、液状化の可能性は大きくないと考えます。
●南東方にある調査地点では、深度9m過ぎにN値50超となった後、深度14mにN値27となるなど、深度20m過ぎまではN値30台の地層が混在しますが、深度21m過ぎに支持層となるようです。
●浅いうちに固い地層となり、支持層までの間に混在する地層も概ね固い地層なので、深刻な地盤リスクはないと判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
建物
| 築年 | 2017年1月竣工 |
| 構造 | RC造地上4階建 |
| 施工会社 | 長谷工コーポレーション |
| その他 | - |
●低層RC造建物なので、建物自体の損壊リスクは低いです。
2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か
| 対水害 | Level 3/5 (浸水リスク有) |
| 標高 | 41mほど |
| 立地 | 善福寺川流域の谷底低地 |
| 浸水深 | [河川氾濫等]約0.8m |
| 【対水害の評価】 [標高・立地] ●標高41mほど、善福寺川流域の谷底低地に位置します。 ●赤い線で表示されている「善福寺川が氾濫した場合の浸水区域」に含まれます。 〔浸水深〕 ●最大約0.8mの浸水可能性が指摘されています。 〔対水害総評〕 ●善福寺川の氾濫浸水区域内に位置し、約0.8mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。 ●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。 |

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
3.その他の災害リスク
| その他 | Level 4/5 (大きな災害リスクなし) |
| 接道状況 | 良好(接面道路幅員8m超) |
| 系統連続性 | 普通 |
| 地域危険度 | 比較的安全 |
| その他 | - |
接面道路
●北側(幅員約8m~11m)、東側(幅員約8m)、西側(幅員約6m)、南側(幅員約9.3m)の4本の区道に接面する4方路地です。エアーズコート棟とブリーズコート棟の間にも幅員約6mの区道が整備されています。
●周辺には細街路も多く存在していますが、環八通り等の都道まで幅員5m超を保ったままアクセスできるルートが複数あるようなので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「荻窪3丁目」の地域危険度は”2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。

※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、荻窪3丁目は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
4.本マンションの総合評価
| 総合 | Level 4/5 |
| [対地震] | Level 4/5 (大きなリスクなし) |
| [対水害] | Level 3/5 (浸水リスク有) |
| [その他] | Level 4/5 (大きな災害リスクなし) |
【地震リスク】
深刻な地盤リスクはないと推察される場所に建つ、低層RC造建物なので、地震が発生しても大きな被害が発生する可能性は低いでしょう。
【水害リスク】
善福寺川の氾濫浸水区域内に位置し、約0.8mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。
【その他リスク】
大きなリスクを感じるような要素なし
⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。
(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。
《評価時点》2025年12月
