【防災力:1】シテヌーブ北千住30

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを不動産鑑定士(兼防災士)が簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 シテヌーブ北千住30

 

1.大地震が発生しても安全か

対地震 Level  1/5 (最悪レベル)
地盤ハザード [2/5]「液状化」「沖積層」に該当
地盤増幅率 [0/5]非常に高い
ボーリング [0/5]軟弱地盤
建物 [2/5]タワー形状の高層建物
【対地震の評価】
地盤
「液状化」及び「沖積層」エリアに該当し、表層地盤増幅率が非常に高い上に、ボーリング調査でも「軟弱地盤」といえる結果なので、地盤リスクは非常に大きいです。
建物
築古になりつつあるタワー形状の高層建物(A棟)なので、相応の災害リスクを認めます。
〔対地震総評〕
「軟弱地盤」エリアは震度7となる可能性が高い場所です。支持杭が破損する可能性もあります。そこに建つ築古になりつつあるタワー形状の高層建物(A棟)及び耐震等級1の建物(北側の2棟)なので、大きな損害を出す可能性があります。
※相対的な評価です。このマンションが損壊すると思っている訳ではありません。ただ、地盤のしっかりした場所に建つマンションと比較したら、被災リスクはかなり高いといわざるを得ません。

[所在地] 〒120-0024 東京都足立区千住関屋町17−40

標高・地形

標高 約1m~6m
地形 隅田川沿いの低地帯


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 液状化の可能性が高い地域
沖積層 堆積エリアに該当
埋没谷 該当なし
急傾斜等 該当なし

東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性が高い地域」に含まれます。
最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 2.04

非常に高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
東側接面道路付近にある調査地点では、
深度23m~24mまでN値3以下の柔らかい地層が続いています。
深度30m過ぎまで、N値10未満の柔らかい地層が存在します。
深度50mでも支持層に到達しないようです。
地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
西方で近接する調査地点では、概ね同様の地盤で、支持層の深さは57mほどのようです。
地中深くまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性もある、いわゆる「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 1990年11月竣工
構造 SRC造地下1階地上30階建
施工会社 竹中工務店、青木建設
その他

A棟は、縦長のタワー型高層マンションです。
タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
本件建物の竣工年月から考えて、高層建築物に対する長周期(地震動)成分への対応が強化された2000年6月の建築基準法改正適用”前”の建物です。
また、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。
タワー形状の建物の場合は、築15年~20年経ったら、耐震診断も実施した方がいいようです。
北側にある2棟は、概ねシンプルな形状の地上14階建の建物なので、建物自体に大きな損壊リスクはないでしょう。(ただ、耐震等級1の建物なので、軟弱地盤エリアでは安全とはいえません)

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)
【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  1/5 (最悪レベル)
標高 約1m~6m
地形 隅田川沿いの低地帯
浸水深 [洪水・内水氾濫]3m~5m
【対水害の評価】
標高・地形
標高約1m~6m、隅田川沿いの低地帯に位置します。
浸水深
洪水・内水氾濫により、北側の2棟に3m~5m、A棟に0.5m未満の浸水可能性が指摘されています。
〔対水害総評〕
隅田川沿いの低地帯に位置し、3m以上の浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは非常に大きいです。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。

【洪水・内水氾濫が発生した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

3.その他の災害リスク

その他 Level  5/5 (特段の災害リスクなし)
接道状況 良好(接面道路幅員20m超)
系統連続性 良好
地域危険度 比較的安全
その他

接面道路

北側都道(幅員約21.8m)、東側都道(幅員約20m) の2本の道路に接面する角地です。
接道部分では、敷地後退をして歩道を拡張しています。
2本の都道に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「千住曙町」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2025年累計」を見ると、千住曙町は27件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。

4.本マンションの総合評価

総合 Level  1/5
[対地震] Level  1/5 (最悪レベル)
[対水害] Level  1/5 (最悪レベル)
[その他] Level  5/5 (特段の災害リスクなし)

地震リスク
「軟弱地盤」エリアは震度7となる可能性が高い場所です。支持杭が破損する可能性もあります。そこに建つ築古になりつつあるタワー形状の高層建物(A棟)及び耐震等級1の建物(北側の2棟)なので、大きな損害を出す可能性があります。
水害リスク
隅田川沿いの低地帯に位置し、3m以上の浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは非常に大きいです。
その他リスク
特段の災害リスクなし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル1”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2026年2月