【防災力:4】ブリリア早稲田諏訪通り

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ブリリア早稲田諏訪通り


[所在地] 〒162-0051 東京都新宿区西早稲田2丁目2−8

防災力 Level 4
地盤 []高低差数mの傾斜地
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []1階レベルに段差のある建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約19m~24m、台地から谷底低地に続く切土地に位置する傾斜地です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.38”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地周辺にある公開されたボーリング調査地点では、
深度6mほどまではN値1の柔らかい地層がある地点があります。
それ以降は概ねN値30超の地層となり、支持層の深さは36mほどのようです。
本件マンションの公式ホームページには、支持層の深さが約5.5m~7.5mと読める記載があります。
公式ホームページの記載通りであれば、支持層が浅いので地盤に問題の少ない場所といえます。周辺のボーリング調査からも、地震の際に揺れるリスクは大きくないであろうことが推察されます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.1mの浸水可能性の指摘がありますが、標高や地形からみて、敷地全体に大きな影響を与えることはないと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2016年2月竣工のRC造地上10階建です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「大末建設」です。
建物は、高低差のある土地に合わせて、1階のレベル(高さ)が東側と西側で異なっているように見えます。
平坦地にある建物と比較すると、損傷リスクを認めます。

 接面道路

南西側都道(幅員約20m)、北側区道(7.3m~7.5m)の2本の道路に接面している角地です。
諏訪通り(都道)と接面しており、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西早稲田2丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西早稲田2丁目は34件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。
東方にガソリンスタンドが近接しています。ガソリンの匂いがする場合があります。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率は優良レベルですが、高低差が数mの傾斜地に位置します。
ボーリング調査に、深刻な問題はみられません。
大きな浸水リスクはないでしょう。
1階レベルに段差のある建物なので、損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率は優良レベルですが、高低差が数mの傾斜地に位置するので、地盤(傾斜地)リスクをある程度計上します。その高低差のある土地に合わせて、1階レベルに段差のある建物となっているので、損傷リスクも認めます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。