【防災力:4】ブリリア東中野パークサイドヒルズ

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ブリリア東中野パークサイドヒルズ

[所在地] 〒164-0003 東京都中野区東中野5丁目27−10

防災力 Level 4
地盤 []高低差約10mの傾斜地
浸水 []氾濫浸水区域と隣接し、約0.3mの浸水可能性
建物 []建物自体の損壊リスク小
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約20m~30m、台地から谷底低地に至る傾斜地です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
また、東側接面通路との境界に高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.33″です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にあると思われる調査地点では、
表層は、N値3以上あるようです。
深度7m過ぎにN値1の柔らかい地層が挟まります。
それ以降、固い地層と柔らかい地層が混在し、支持層に到達するのは深度20m超のようです。(柱状図に20mまでしか表記がなく、支持層の深さは把握できません。)
隣接する調査地点では、支持層の深さは20mほどのようなので、支持層の深さは20m台前半と推測します。
支持層がそれなりに深いことが推測されるので、地盤の良い場所とはいえませんが、深刻なリスクを感じる要素もありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の南東部に約0.3mの浸水可能性が指摘されています。
当該箇所は、赤い線で表示される「神田川が氾濫した場合の浸水区域」と隣接しています。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2020年9月竣工の中層RC造建物(地上8階建)です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「NB建設(現:京王建設横浜)」です。
建物は、坂上に建つ5階建てと、坂下に建つ5階建てが接合したような形状です。
敷地の高低差に合わせて、1階レベルに大きな段差がありますが、エキスパンションジョイント等で対応しており、建物自体に大きな損壊リスクはないと判断します。

 接面道路

北西側(幅員約5.6m)、東側及び北東側(幅員約1.8m~3.6m)、南東側(幅員約5.2m~6m)の3本の区道と接面する3方路地です。
敷地の南西側も通路(階段)と接面しており、4方路地のような接道状況です。
周囲には細街路も存在しますが、幅員5mほどを保ったまま広い道路と接続できるようなので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「東中野5丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域とされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、東中野5丁目は25件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

台地から谷底低地に至る、高低差が10mほどもある傾斜地です。擁壁も築造しています。
ボーリング調査は、良いとはいえない結果ですが、深刻なリスクもみられません。
神田川の氾濫浸水区域に隣接し、約0.3mの浸水可能性が指摘されています。
建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは大きくないと判断します。

高低差が10mほどもある傾斜地である上に、周辺のボーリング調査も良い結果という訳ではないので、地盤リスクは無視できません。神田川の氾濫浸水区域に隣接していることから、浸水リスクも多少計上します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。