【防災力:4】ブリリア銀座id

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ブリリア銀座id

[所在地] 〒104-0061 東京都中央区銀座2丁目13−11

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率が良好、直接基礎が可能な地盤
浸水 []高潮約1.4m、洪水0.5m~3m未満
建物 []少し複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高2m余り、江戸時代以前は「前島」と呼ばれていた場所に位置します。地形的には「砂州」です。
「砂州」は、「海岸付近にあって波浪、沿岸流によってできた砂礫からなる微高地」です。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.41”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
隣接する調査地点では、
深度3m~5mほどまでは柔らかい地層が存在します。
深度7mほどでN値50超の固い地層となります。
深度9m~17mにN値20未満の地層が存在します。
支持層の深さは、17m~20mほどのようです。
本件マンションの公式ホームページに、「深度約5.8m~8.4m」にある地層を支持層として「直接基礎」により施工した旨の記載があります。
隣接する調査地点からは良いとまではいえない結果も見られますが、「直接基礎」により施工したとのことなので、地盤に問題は少ないのだろうと推察します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

高潮により最大約1.4mの浸水可能性が指摘されています。
荒川・隅田川等の氾濫により0.5m~3m未満の浸水可能性が指摘されています。
対象地は、隅田川の河岸と比較すると、標高差がほとんどないどころか低いくらいです。
昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【荒川・隅田川等が氾濫した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

 建物

2004年 12月竣工のRC造地下1階地上14階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「戸田建設」です。
上から見るとL字というかF字のような、少し複雑な形をしています。シンプルな形状の建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。

 接面道路

南側(幅員約15m)、西側(幅員約11m)、東側(幅員約6m)の3本の区道と、北側で私道に接面する4方路地です。
接面道路は一方通行路ですが、周辺にある幹線道路との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「銀座2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、銀座2丁目は37件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。

 本マンションの総評

江戸時代以前から陸地である前島に位置し、「沖積層の堆積エリア」に該当します。
表層地盤増幅率は良好な数値です。
ボーリング調査では、固い地層が浅いところにあり、地盤の固さに問題はないようにみえます。
高潮で約1.4m、洪水で0.5m~3m等の浸水可能性が指摘されています。
少し複雑な形の建物なので、多少の損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

ボーリング調査で固い地層が浅いところにあることが把握されるので、地震時に揺れが大きくなるリスクは低いと考えます。高潮で約1.4m、洪水で0.5m~3m等の浸水可能性が指摘されるなど、浸水リスクは顕在です。また、建物が複雑な形状であることから、多少の損傷リスクを計上します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。