【防災力:4】ベリスタ西巣鴨

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ベリスタ西巣鴨


[所在地] 〒170-0001 東京都豊島区西巣鴨2丁目21−3

防災力 Level 4
地盤 []液状化、ボーリング調査もいま一つ
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []シンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約21m~22mの台地に位置します。この場所は「約1万年前から現在にかけて形成された台地や段丘」とされています。
敷地の一部が、東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」で「液状化の可能性がある地域」に掛かっています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.32~1.36”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北側隣地にある調査地点では、
表層面は比較的すぐにN値10を超えます。
深度約12m~27mではN値が10代前半の地層が多くを占めます。
支持層の深さは28mを超えるようです。
地下水位の下に、砂質の地層が存在するので、液状化の可能性を否定できません。
地震時に揺れを大きくするようなリスクは高くないと感じますが、支持層が深く、液状化の懸念も残るので、地盤の良い場所ともいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の周縁部に約0.1mの浸水可能性が指摘されていますが、地形や標高から見て、敷地全体に大きな影響はないと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2010年8月竣工のRC造地上15階建です。
施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「埼玉建興」です。
建物は、少し縦長ですが、シンプルな形状なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

北西側都道(幅員約22.9m)、南西側区道(幅員約5.8m~7.3m)、南東側私道の3本の道路と接面する3方路地です。
明治通り(都道)と接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西巣鴨2丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西巣鴨2丁目は17件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
明治通り沿いであることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

「液状化の可能性がある地域」に敷地の一部が掛かります。
ボーリング調査も良い結果とはいえません。
大きな浸水リスクはありません。
シンプルな形状の建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

敷地の一部が「液状化の可能性がある地域」に掛かり、ボーリング調査も良い結果とはいえないので、地盤リスクを無視できません。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。