【防災力:4】武蔵野フィールド・レジデンス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 武蔵野フィールド・レジデンス
[所在地] 〒177-0052 東京都練馬区関町東2丁目7−5
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]法面あり |
浸水 | [3]石神井川沿いで、約0.4mの浸水可能性 |
建物 | [4]2000年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約48m~50m、石神井川沿いの谷底低地に位置します。
●東側接面道路は、北傾斜の道路です。建物部分(建築面積に相当)に大きな高低差があるようには見えませんが、道路や川との境界には高低差があり、擁壁は設置されていないものの植樹された法面があります。平坦な場所と比較したら、多少の地盤リスクを認めます。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.48~1.49″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地の北東部にある公開されたボーリング調査地点では、深度3mほどにN値1の柔らかい地層があるものの、深度5mでN値20を超えます。
●周辺の調査地点では、深度16mほどで支持層となる地点が1ヶ所ありますが、それ以外は20mより深いようです。
●表層面に問題がなく、支持層は深いものの、比較的浅い部分からそれなりに固い地層となるので、地震時に揺れが大きくなるようなリスクは低いでしょう。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約0.4mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、石神井川の河岸に位置していますので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2000年11月竣工の中層RC造建物(地下1階地上9階建)です。
●施工会社は、マンション建設に実績のある「藤木工務店」です。
●建物は少し複雑な形状をしていますが、中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●東側区道(幅員約6m~7.7m)に接面する中間画地です。
●新青梅街道(都道)との接続は容易なので、系統連続性は良好とします。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「関町東2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、関町東2丁目は5件となっており、治安は“5段階で1番安心なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率は良好ですが、法地を含む石神井川沿いの谷底低地です。
●ボーリング調査に深刻な問題はみられません。
●石神井川沿いであり、想定を超える浸水被害は起こり得ると考えるべきです。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒表層地盤増幅率が良好で、ボーリング調査でも深刻な問題がない場所ですが、法地を抱えているので、地盤リスクをないとすることはできません。河岸からは高い位置にあるので、大きな被害に繋がることはないと思いますが、川沿いなので浸水リスクを無視できません。これらを足してマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。