【防災力:4】ディアナコート文京本郷台

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ディアナコート文京本郷台


[所在地] 〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目28−12

防災力 Level 4
地盤 []高低差約8mの傾斜地
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []1階レベルに段差
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高6m~14mほど、台地の端の傾斜地に位置しています。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがあり得ます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
敷地の低い方のレベルに合わせて建物を建築しており、大規模な擁壁等の築造は視認できません。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.4″です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点の柱状図では、
南西方の地点では、深度2m過ぎにはN値4を超えます。表層面としては悪くないです。
西方の地点では、深度7m過ぎまでN値1の地層が続きます。地盤が良くないです。
どちらの地点も、N値50超が続く支持層までの表記がなく、支持層の深さは推定できません。
これらの調査地点は、ほぼ高台の平坦地に位置しており、傾斜地である対象地にとっては、参考程度に留めることにします。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2017年9月竣工のRC造地下2階地上14階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「フジタ」です。
建物は、高低差のある土地に合わせて、1階のレベル(高さ)が東側と西側で異なっているように見えます。
平坦な場所にある建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。

 接面道路

南側(幅員約10.8m~11.8m)、西側(幅員約4m)、東側(幅員約3.5m)の3本の区道と接面している3方路地です。
北方の春日通り(都道453号線)等へのアクセスは容易なので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「湯島3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、湯島3丁目は66件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が良好な台地(の端)に位置します。
高低差約8mの傾斜地です。
浸水可能性は指摘されていません。
1階レベルに段差のある建物であり、損傷リスクを多少計上します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が良好な台地ですが、高低差が約8mもある傾斜地なので、地盤リスクがないとすることはできません。建物も、1階レベルに段差がみられるため、多少の損傷リスクを見込みます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。