【防災力:4】ルネ神楽坂

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ルネ神楽坂

[所在地] 〒162-0833 東京都新宿区箪笥町39

防災力 Level 4
地盤 []液状化リスク、ボーリング調査があまり良くない
浸水 []谷状の場所に位置し、約0.4mの浸水可能性
建物 []少し縦長だが、全体的にはシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高21m前後の谷底低地(一部、切土地)に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.39”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
西側及び西南側隣地にある調査地点では、
多少柔らかい地層も混ざりますが、表層面に大きな問題はありません。
一旦固い地層を挟み、深度20m前後でN値10未満の少し柔らかい地層が存在し、埋没谷エリアのように、少し柔らかい地層が数m続く地点もあります。
支持層に到達するのは深度23m~27mほどになるようです。
表層面はさほど悪くないですが、埋没谷エリアのような地層もみられ、支持層もそれなりに深いようなので、あまり良いとはいえない地盤です。
地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性も感じます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

約0.4mの浸水可能性が指摘されています。
対象地は、南北の台地に挟まれた谷状の場所に位置します。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2007年7月竣工のRC造地下1階地上17階建です
施工会社は、当時中堅ゼネコンクラスであった「東海興業」です。
東海興業は、1997年7月に会社更生法を申請、2005年3月に更生手続きが終結したものの、2013年4月に民事再生法を申請することとなっています。本件建物の施工期間は、経営に問題があった時期ではないので、特に影響はないものと考えます。
建物は、少し縦長で、上から見ると北東側が欠けたような形をしていますが、全体的にはシンプルな形状なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

北西側都道(幅員約18m)、南東側区道(幅員約5m~5.3m)の2本の道路に接面する2方路地です。
大久保通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「箪笥町」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、箪笥町は3件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

「液状化の可能性がある地域」に含まれ、隣地のボーリング調査もあまり良くない結果です。
谷状の場所に位置するので、想定を超える浸水被害はあり得ます。
全体的にはシンプルな形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」に含まれ、隣地のボーリング調査もあまり良くないので、地盤リスクをある程度考慮に入れざるを得ません。浸水リスクも、大きな被害には繋がらないと思いますが、無視はできないレベルです。これらを合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。