【防災力:4】ザ・パークハウス大井町レジデンス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ザ・パークハウス大井町レジデンス


[所在地] 〒140-0011 東京都品川区東大井5丁目24−15

防災力 Level 4
地盤 []埋没谷の影響がみられる
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []2014年竣工のRC造地下1階地上10階建
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約12m~15mの緩やかな傾斜地です。地形図では「切土地」となっています。
傾斜地ですが、大規模な擁壁等の築造は視認できず、大きな傾斜地リスクはないと推察します。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1. 66”です。
都区内の武蔵野台地エリアではやや高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
南東にある調査地点では、
表層はN値4以上あるようです。
深度7m~9mにN値2~4の柔らかい地層となります。
一旦N値50超の固い地層となりますが、上述した埋没谷の影響とみられるN値3~8の柔らかい地層が深度約18mより下層に広がっています。
柱状図に20mまでの表記しかなく、支持層の深さは把握できません。
表層面に問題はないですが、埋没谷の影響とみられる地層が把握され、支持層も深いようなので、マンション用地として良い地盤とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2014年11月竣工のRC造地下1階地上10階建です。
施工会社は、中堅ゼネコンの「淺沼組」です。
建物形状が少し複雑に見えることが気になります。
シンプルな形状の建物と比較したら多少のリスクを認めますが、階層の高い建物ではないので、大きな損壊リスクには繋がらないものと判断します。

 接面道路

南西側(幅員約7.6m~7.8m)、南東側(幅員約5.1m~5.5m)、北東側(幅員約3.2m~4m)の3本の区道に接面している3方路地です。
第一京浜へのアクセスは容易なので、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「東大井5丁目」の地域危険度は”2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で”1”が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、東大井5丁目は64件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。

 本マンションの総評

埋没谷の範囲に該当する緩やかな傾斜地に位置します。
ボーリング調査でも、埋没谷の影響とみられる地層が把握できます。
浸水可能性は指摘されていません。
全体的にはどっしりとした形状の建物であり、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

埋没谷の範囲に該当し、周辺のボーリング調査でその存在が確認される場所にある傾斜地なので、地盤リスクは無視できません。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。