【防災力:4】ジェイシティ千歳烏山
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ジェイシティ千歳烏山
[所在地] 〒157-0063 東京都世田谷区粕谷1丁目9−23
防災力 | Level 4 |
地盤 | [4]地盤増幅率及びボーリング調査は良好 |
浸水 | [3]昔の川筋に掛かり、約0.5mの浸水可能性 |
建物 | [4]どっしりとした形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約43m、昔の川筋に当たる谷底低地に位置します。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.25″です。
●都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8″以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●北側隣地にある調査地点では、深度6mでN値25を超え、深度7m余りで支持層に到達します。
●南側にある調査地点では、深度8m過ぎにN値50の地層となるものの、深度13m~16mに埋没谷の影響とみられるN値15を含む少し柔らかい地層が挟まります。
●東や西にある調査地点では、深度7m~9mで支持層となります。
●南方以外の地点からは、埋没谷の影響はみられません。
●支持層が浅いので、マンション適地です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大0.5mほどの浸水可能性が指摘されています。
●敷地の一部は、現在は暗渠となっている水無川の川筋に掛かるようなので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2004年5月竣工のRC造地上10階建です。
●施工会社は、マンション建設に実績のある「川田工業」です。
●どっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●東側(幅員約6m)、西側(幅員約6m)の2本の区道に接面する2方路地です。
●東方の環八通り(都道)との接続は容易であり、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「粕谷1丁目」の地域危険度は”1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、粕谷1丁目は9件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●東側に隣接して「ガスホルダー(ガスタンク)」が並ぶ「東京ガス世田谷整圧所」がありますが、一般社団法人日本ガス協会の調査で安全性が確認されています。
※ガス工作物の巨大地震に対する耐性評価等の検討結果について(一般社団法人 日本ガス協会:2014年4月30日)
本マンションの総評
●谷底低地ですが、表層地盤増幅率は優良レベルです。
●ボーリング調査も良好な結果です。
●昔の川筋に当たりますので想定外の浸水被害があり得ます。
●どっしりとした形状なので、建物の損壊リスクは小さいと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒表層地盤増幅率は優良レベルで、ボーリング調査も良好な結果なので、地盤リスクは低いでしょう。現在は暗渠となっている水無川の川筋に掛かることから、浸水リスクは無視できません。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。