【防災力:5】グランノア杉並上井草

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 グランノア杉並上井草

[所在地] 〒167-0023 東京都杉並区上井草2丁目27−9他

防災力 Level 5
地盤 []表層地盤増幅率が良好な台地
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []低層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高47m超の台地に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.48″です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8″以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
東方にある同地形(台地)の調査地点では、
深度7mほどまでN値1~2の柔らかい地層が続きます。
深度12mまでしか表記がなく、支持層の深さは把握できません。
表層面が柔らかく、支持層も浅くはなさそうなので、地盤が良いとは言えません。ただ、この1ヶ所で地盤を判断することはできないので、参考に留めます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に0.9mほどの浸水可能性が指摘されています。内水氾濫のリスクにしては少し大きな数字です。
標高や下水道台帳を確認する限り、そこまで大きな浸水リスクがあるようには見えませんが、用途地域における制限(最高高さ10m)の限度内で4階建にするために、地下部分を掘削した影響だと思われます。(現地調査はしておりません。公開情報のみでの推察となります)
※想定を超える大雨が降った場合には、地下部分を中心に内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2005年2月竣工の低層RC造建物(地下1階地上4階)です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「フジタ」です。
本件建物の建設時期は、バブル崩壊で経営難に陥ったフジタが再建中の時期と重なります。ただ、経営難の時期に比べれば、再建中の方がまともな仕事が期待できると思いますし、新築時のデベロッパーである藤和不動産等の監理能力も含めて、特に問題がないと判断します。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。

 接面道路

ノースコート:四方を区道で囲まれた4方路です。北側接面道路(幅員11m超)以外は一方通行路ですが、幅員は5m超~11m超と十分な広さがあります。
サウスコート:北・南・西を区道で囲まれた3方路です。いずれも一方通行路ですが、幅員は5m超~10m超と充分な広さがあります。
東方にある環八通りへのアクセスは容易であり、系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上井草2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に対して安全な地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、上井草2丁目は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が良好な台地に位置します。
0.9mほどの浸水可能性が指摘されています。全体的には大きな問題にならないのではないかと考えますが、地下1階部分の部屋を検討する際には注意が必要です。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

表層地盤増幅率が良好な台地なので、大きな地盤リスクはないと推察します。その場所にある低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いでしょう。火災リスクも低く、浸水リスクも全体的には大きな問題にならないと判断し、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。