【防災力:5】マスターズガーデン世田谷桜
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 マスターズガーデン世田谷桜
[所在地] 〒156-0053 東京都世田谷区桜2丁目4−1
防災力 | Level 5 |
地盤 | [5]地盤増幅率及びボーリング調査が比較的良好な台地 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [4]2003年竣工の低層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高40mほどの「台地」です。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.43~1.55”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”未満です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺の同地形(大規模盛土地)にある調査地点では、
▼深度9mほどまでN値0を含む柔らかい地層が続く地点があります
▼支持層の深さは、7m~13mのようです。
●深度9mほどまで柔らかい地層が続く可能性があるので、地盤の良い場所とはいえないですが、支持層が比較的浅いので、マンション用地として問題の少ない場所だと判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
敷地の境界付近に0.2mほどの浸水可能性が指摘されていますが、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
※想定を超える大雨が降った場合には、地下部分を中心に内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2003年3月竣工の低層RC造建物(地下1階地上4階建)です。
●施工会社の東海興業は、1997年と2013年に2度倒産した会社です。本件建物の建設時は、会社更生手続が終了し、マンション建設の受注を拡大していた時期に当たります。資金繰りに困窮していた時期ではないので、本件建物の建設に問題はなかったと考えます。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接面道路
●南側(幅員約6m)、西側(幅員約6m)の2本の区道に接面する角地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●周辺に少し狭い道路が残り、対象地から、幅員5.5m超を維持して南方の世田谷通り(都道3号線)にほぼ直線的に通じる道路は1本しかないので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「桜2丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、桜2丁目は5件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が良好な台地に位置します。
●ボーリング調査も、比較的良好な結果です。
●0.2mほどの浸水可能性が指摘されていますが、大きなリスクには繋がらないでしょう。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。
⇒表層地盤増幅率が良好で、ボーリング調査も比較的良好な結果である台地に位置するので、地盤リスクは低いでしょう。その場所に建つ低層RC造建物なので、損壊リスクも低いです。浸水リスク及び火災リスクも低いことから、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。