「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名　桜上水ガーデンズ

[所在地] 〒156-0045 東京都世田谷区桜上水４丁目１

 標高・地形

●標高40m超の台地が敷地の大部分を占めますが、C棟は凹地に存します。また、Ｉ棟の敷地も一部が凹地です。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

●表層地盤の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.51～1.6”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

近隣のボーリング調査

●敷地内(北側)にある公開されたボーリング調査地点では、
▼深度13m～14mほどまで、N値1を含む柔らかい層が続きます。
▼深度15mほどでN値50超の地層に到達します。
▼柱状図の表記が15mまでしかなく、支持層の深さは把握できません。
●近隣の調査地点でも、浅い部分には柔らかい地層があるものの、支持層の深さは深度12m～14mほどのようです。
●深度10m過ぎまで柔らかい地層が続くので、地盤の良い場所とはいえませんが、支持層が比較的浅いので、マンション用地として問題の少ない場所だと判断します。

浸水リスク

●敷地の一部に最大0.3mほどの浸水可能性となっていますが、浸水想定区域は敷地の周縁部であり、敷地全体に大きな影響はないと考えます。
●浸水想定がされている敷地の周縁部は暗渠となっている北沢川の川筋のようなので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

●2015年5月竣工のRC造14階建が一番高い建物です。
●施工会社は、スーパーゼネコンの「大林組」「清水建設」で、すべての住宅棟に免震構造が採用されています。
●断層型地震が直下で起きることでもない限り、建物の損壊リスクは非常に低いものと判断します。

 接面道路

●周囲を幅員約6m～8mの区道及び私道で囲まれており、敷地周辺に関しては道路整備が完了しています。
●国道20号線から敷地まで、幅員6mほどが維持される道路はありませんが、幅員5m超の道路は複数あり、道路の系統連続性は「普通」と判定します。
●敷地も広大ですし、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「桜上水4丁目」の地域危険度は“１”(※)であり、災害に対して強い地域であるとされています。
※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、桜上水4丁目は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●敷地周辺に日本大学のグランドなどがあり、学生の声などが騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

●敷地は、大部分が「台地」ですが、一部「凹地」「低地」があります。
●表層地盤増幅率の数値は、特に問題のないレベルです。
●ボーリング調査も、比較的良好な結果です。
●浸水リスクについては、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
●建物は免震構造を採用しており、建物の損壊リスクは非常に低いと判断します。
●4方路で敷地も広大なため、火災時の災害リスクも低いです。

⇒ボーリング調査が比較的良好な結果である台地上の広い敷地に、免震構造のどっしりした形状の建物をスーパーゼネコンが施工していることから、建物損壊リスクは非常に低いと判断します。浸水リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル５”とします。(５段階評価で５が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。