「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名　プラウドシティ阿佐ヶ谷

[所在地] 〒166-0015 東京都杉並区成田東４丁目３

 標高・地形

●標高約38m～40m、善福寺川沿いの谷底低地(盛土)です。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.63～1.82”です。
●都区内の武蔵野台地エリアではやや高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性がある場所です
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある複数の調査地点では、
▼表層面には、N値0や1の非常に柔らかい地層があります。
▼深度13m～15mでN値50超の固い地層となりますが、その下の表記がなく、支持層の深さは把握できません。
●表層面が非常に柔らかく、支持層の深さが把握できないので、地盤が良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

●最大1.6mほどの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、赤い線で表示される「善福寺川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置しますので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

●2016年7月竣工の低層及び中層RC造建物(2階～6階建)です。
●施工会社は、マンション建設に実績のある「安藤・間」「前田建設工業」「西武建設」の共同企業体です。
●低層及び中層RC造建物なので、大地震の際の損壊リスクは低いものと判断します。

 接面道路

●周囲を幅員約6m～10mの区道で囲まれており、敷地周辺に関しては道路の拡幅工事が完了しています。
●しかし、青梅街道から当該敷地まで幅員5m超を維持できる道路はなく、幅員7mほどが維持される道路は南側の五日市街道から天王橋の南側までを繋ぐ区道2481号線のみです。
●道路の系統連続性は良いとは言えませんが、敷地が広大なので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「成田東4丁目」の地域危険度は“３”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、成田東4丁目は17件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
●西側に高校が近接しており、体育祭や文化祭等の際に騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

●善福寺川沿いの「谷底低地」で、表層地盤増幅率も高いです。
●周辺のボーリング調査も、あまり良い結果ではありません。
●氾濫浸水区域内で、最大1.6mほどの浸水可能性が指摘されています。
●低層及び中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
●周囲に十分な幅員の区道が整備されており、火災時の災害リスクは低いでしょう。

⇒表層地盤増幅率が高く、周辺のボーリング調査もあまり良くないので、地盤リスクは無視できません。善福寺川の氾濫浸水区域内に位置し、浸水リスクも顕在です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル３”とします。(５段階評価で５が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。