物件名　パークコート虎ノ門愛宕タワー

１．大地震が発生しても安全か

[所在地] 〒105-0001 東京都港区虎ノ門３丁目１４−１

標高・地形

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

●対象地の一部(北西側接面道路沿い)は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
●敷地の東側が「土砂災害特別警戒区域」及び「土砂災害警戒区域」に指定されています。崖上の施設との標高差は十数mあります。

※ [土砂災害警戒区域等マップ(東京都)] → [土砂災害警戒区域]タブ

表層地盤増幅率

●良好な(低い)数値であり、地震時の揺れを小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

周辺のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、
▼深度10m～12mでN値20を超えます。
▼それ以降、固い地層と少し柔らかい地層が混在します。
▼柱状図の表記が29mまでしかなく、その深さでも支持層には到達していません。
▼地下水位の下に砂が混じった地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
●深度10m以深にN値10以下の地層はないので、地震時に揺れを大きくするようなリスクはないと考えますが、深度24m過ぎにもN値12の地層が挟まるので、良い地盤ともいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

●制震構造ですが、縦長のタワー型高層マンションです。
●タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
●制震構造を採用しているので、損壊リスクは低いですが、災害リスクは残ると判断します。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

３．その他の災害リスク

接面道路

●北西側区道(幅員約8m)に接面する中間画地です。
●桜田通り(国道1号線)とは近いですが、前面道路は一方通行路なので、系統連続性は普通とします。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「虎ノ門3丁目」の地域危険度は“１”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、虎ノ門3丁目は5件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
深刻な地盤リスクはないと考えますが、土砂災害リスクは顕在です。建物も、制震構造ですが、タワー形状の高層建物なので、災害リスクは残ります。よって、地震に強い物件とはいえません。
【水害リスク】
愛宕山下の低地に位置しますが、浸水可能性の指摘は低い数値なので、大きな浸水リスクはないと判断します。
【その他リスク】
大きなリスクを感じるような要素なし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル３”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年11月