物件名　プラウドタワー小岩ファースト

１．大地震が発生しても安全か

[所在地] 〒133-0056 東京都江戸川区南小岩６丁目３１

標高・地形

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性が高い地域」に該当します。
●最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

表層地盤増幅率

●かなり高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

ボーリング調査

●敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
▼表層でもN値7以上あり、深度13mほどまでN値12～18の地層が続きます。
▼柱状図の表記が15mまでしかなく、深い部分の地層の詳細は不明です。
▼地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性は高いです。
●周辺にある調査地点では、
▼深度6m～9mでN値20を超えるなど、地盤に大きな問題のない地点が多いです。
▼支持層の深さは50mを超えるようです。
▼南東方にある地点では、深度23m～27mほどにN値10未満の地層が続くなど、地中深くに柔らかい地層があることが把握できます。
▼北東方にある地点では、支持層は深いものの、浅いうちから概ねN値30以上の地層が続くので、地震時に揺れが大きくなるリスクは感じません。
▼評価が割れた場合には、保守的に捉え、南東方の地点の地層を重視します。
●液状化リスクが顕著な上に、地中深くに柔らかい地層が連続する可能性があるので、地盤の良い場所とはいえません。

建物

●制震構造ですが、縦長のタワー型高層マンションです。
●タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
●制震構造を採用しているので、損壊リスクは低いですが、災害リスクは残ると判断します。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【内水氾濫・洪水が発生した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典：「ハザードマップポータルサイト」)

３．その他の災害リスク

接面道路

●南東側(幅員約15m)、北側及び南西側の3本の区道で敷地を囲まれた独立画地です。
●接道部分では、敷地後退をして歩道等を整備しています。
●周辺の幹線道路との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「南小岩6丁目」の地域危険度は“４”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、南小岩6丁目は76件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。
●小岩駅に近接しているので、騒がしく感じる可能性があります。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
地盤リスクがないとはいえない場所に建つタワーマンションなので、制震構造ですが、被災リスクはそれなりにあるでしょう。
【水害リスク】
標高2m弱の低地帯に位置し、高潮で約1.8m等の浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。
【その他リスク】
大きなリスクを感じるような要素なし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル３”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年10月