【防災力:4】藤和ライブタウン平和台

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 藤和ライブタウン平和台

[所在地] 〒179-0073 東京都練馬区田柄1丁目18−22

防災力 Level 4
地盤 []地盤増幅率が良好、ボーリング調査も悪くない
浸水 []約0.7mの浸水可能性
建物 []1998年竣工の低層RC造建物
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約32m~33mの谷底低地(一部、台地斜面)に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に該当します。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.43″です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

周辺のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺の同地形(谷底低地)にある調査地点では、
浅い部分にもN値20~40の固い地層が存在します。
深度8m~10mほどにN値5未満の地層が混在します。
支持層の深さは、22m余りのようです。
地下水位の下に砂質の層が見られますが、N値20超の地層がほとんどなので、液状化の可能性は大きくないと推察します。
液状化の可能性を完全に否定することはできないものの、地震時に揺れが大きくなるような柔らかい地層が連続することもないので、深刻なリスクはない地盤であると判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
当該指摘箇所は、北方にある、暗渠となった田柄川流域の浸水エリアと繋がっています。
また、谷底低地は、昔から水が流れてきたことを示す地形であり、対象地も、南北の台地と比較して標高が低くなっています。
このような場所では、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1998年7月竣工の低層RC造建物(地上3階建)です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「フジタ」です。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
ただ、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

東側都道(幅員約6.2m)、南側区道(幅員約6m)、北側区道(幅員約5m~6m)の3本の道路に接面する3方路地です。
接面する都道も、あまり幅員の広い道路ではないので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「田柄1丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、田柄1丁目は15件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

谷底低地に位置しますが、表層地盤増幅率は良好です。
ボーリング調査は、良いともいえませんが、深刻な問題はみられません。
暗渠である田柄川の流域と繋がり、約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

ボーリング調査は、液状化の可能性を完全には否定できないので、良いともいえませんが、深刻な問題はみられません。表層地盤増幅率が良好なので、大きな地盤リスクはないと判断します。暗渠である田柄川の流域と繋がり、約0.7mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。