【防災力:2】ブロードシティ東京

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ブロードシティ東京

[所在地] 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目36−9

防災力 Level 2
地盤 []ほぼ軟弱地盤
浸水 []洪水3m~5m未満
建物 []少々複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約1m~2m、東京東部の低地帯に位置します。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.89”です。
かなり高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北側隣地との境界にある調査地点では、
深度15m~16mまでN値0~1の非常に柔らかい地層が続きます。
深度30m過ぎまでN値10以下のやや柔らかい地層が存在します。
支持層の深さは、33m~35mほどのようです。
地下水位の下に砂質の地層が見られるので、液状化の可能性があります。
周辺の地点も、概ね同様の地盤で、支持層の深さは32m~39mほどのようです。
深度15m過ぎまで非常に柔らかい地層が存在し、液状化の可能性もあるので、ほぼ「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

荒川・隅田川等の氾濫により3m~5m未満の浸水可能性が指摘されています。
対象地の標高は、隅田川や日本橋川の河岸よりも低いです。
昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。

【荒川・隅田川等が氾濫した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

 建物

2005年7月竣工のSRC造地下1階地上17階建です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「村本建設」です。
建物の西側が細くなっています。少々複雑な形状なので、シンプルな形状の建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

東側(幅員約27m)、南側(幅員約5m)、西側(幅員約8m)の3本の区道に接面する3方路地です。
東側接面道路は片側二車線が整備されており、周辺にある幹線道路との接続は容易なので、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「日本橋蛎殻町1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、日本橋蛎殻町1丁目は20件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
首都高速の箱崎ジャンクションに近接しているので、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

沖積層エリアに該当する、東京東部の低地帯に位置します。
表層地盤増幅率がかなり高い数値です。
ボーリング調査でも、ほぼ軟弱地盤であることが把握されます。
洪水で3m~5m未満の浸水可能性が指摘されています。
少々複雑な形状の建物なので、多少の損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

沖積層エリアに該当する低地に位置し、表層地盤増幅率がかなり高い上に、ボーリング調査でもほぼ軟弱地盤であることが把握されるので、地盤リスクは大きいです。洪水で3m~5m未満の浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクも大きいです。建物も少々複雑な形状なので、多少の損傷リスクを計上します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。