【防災力:4】コンフォルテハイム本駒込

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 コンフォルテハイム本駒込

[所在地] 〒113-0021 東京都文京区本駒込1丁目20

防災力 Level 4
地盤 []液状化、ボーリング調査がいま一つ
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []シンプルな形状等
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約21m~23m、地形的には「凹地」に位置しています。
凹地は、台地・段丘や扇状地などの表面に形成された浅い流路跡や侵食谷であり、豪雨時に地表水が集中しやすいとされています。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地が含まれています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.32″です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内及び近隣の同地形(凹地)に公開されたボーリング調査地点はありません。
参考までに北方にある台地の調査地点を見てみると、
深度5mほどにN値0の非常に柔らかい地層が挟まります。
深度10mより下では、N値20超となりますが、深度約25m~30mにN値10前後の少し柔らかい地層が存在します。
支持層に到達するのは、深度34mほどとなるようです。
浅い部分に柔らかい地層が存在し、支持層が深いので、良い地盤とはいえません。
また、地下水位の下に砂質の地層が存在するので、液状化リスクは否定できません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。
凹地は、昔から水が流れてきたことを示す地形であり、対象地(の西側)も、東西の台地と比較して標高が低くなっています。
このような場所では、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2009年12月竣工のRC造地下1階地上15階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「東急建設」です。
少し縦長ですが、シンプルな形状なので、大きな建物損壊リスクはないと判断します。

 接面道路

北東側都道(幅員約22m)、北西側区道(幅員約4m)の2本の道路と接面している角地です。
都道と接面しているので系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「本駒込1丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、本駒込1丁目は17件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率は優良レベルですが、地形的には「凹地」に位置します。
「液状化の可能性がある地域」に該当し、周辺のボーリング調査もあまり良くありません。
大きな浸水被害には繋がらないと思いますが、地形的に浸水リスクを多少認めます。
シンプルな形状なので、大きな建物損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」に該当し、周辺のボーリング調査もあまり良くないので、地盤リスクをある程度認めます。浸水リスクも大きな被害には繋がらないと思いますが、地形的に多少認めます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。