【防災力:4】ブリリア神楽坂id
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守れる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ブリリア神楽坂id
[所在地] 〒162-0816 東京都新宿区白銀町2−1
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]液状化リスクが顕在 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [4]2004年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高およそ10mの谷底低地に位置します。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に、敷地の過半が該当します。
●北側隣地境界には、本物件の敷地内に設置された擁壁があります。隣地境界線にも擁壁があり、敷地内に更なる抑えとして築造したものなのか不明ですが、擁壁があるということは、その修繕費用(保守管理費用)も必要になるというランニングコストの問題が生じます。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※敷地の過半が「液状化の可能性がある地域」に指定されている。[新宿区がけ・擁壁ハザードマップ]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.44”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●西方隣地付近にある調査地点の柱状図では、
▼深度4mほどでN値20を超え、
▼深度12mほどでN値4以下の柔らかい地層が挟まるものの、
▼深度13mほどで支持層となります。
●その他の周辺にある調査地点では、地下水位の下に、砂質の地層が広がっている場所が多く、液状化の可能性を否定できません。
●地盤の固さに問題がない可能性は高いですが、液状化の懸念を払拭できないので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部に0.4mほどの浸水可能性が指摘されています。
●対象地付近は、南北の台地に挟まれた谷底低地に位置し、雨が集まりやすい場所であると推察されます。
●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2004年10月竣工の中層RC造建物(地上9階建)です。
●施工会社は、中堅ゼネコンの「飛島建設」及び「西武建設」の共同事業体です。
●建物形状は少々複雑ですが、中層建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●南側区道(幅員約6.1m~6.7m)と接面する中間画地です。
●都道の大久保通りにほぼ隣接しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「白銀町」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、白銀町は6件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●「液状化の可能性がある地域」に指定されている谷底低地です。
●近隣のボーリング調査にも、液状化の兆候がみられます。
●谷状の場所に位置するので、想定外の浸水被害はあり得ます。
●建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒「液状化の可能性がある地域」に位置し、近隣のボーリング調査にもその兆候がみられるので、地盤リスクを無視できません。浸水リスクも敷地全体に大きな影響を与えることはないと思いますが顕在なので、合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。