【防災力:4】ザ・レジデンス白金スイート

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ザ・レジデンス白金スイート

[所在地] 〒108-0072 東京都港区白金6丁目16−6

防災力 Level 4
地盤 []高低差10mほどの傾斜地
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []1階レベルに段差のある建物
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約15m~25m、台地周縁にある谷底低地(傾斜地)に位置します。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
また、西側隣地と高低差があるため法面があり、擁壁も築造されています。擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.5”です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺の同地形(台地及び切土地)にある調査地点では、
表層に柔らかい地層はあるものの、支持層の深さは、7m~9mほどのようです。
埋没谷の影響は見られません。
支持層が浅く、埋没谷の影響も見られないため、マンション適地です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2008年2月竣工のRC造地下2階地上10階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「大成建設」です。
建物は、高低差のある土地に合わせて、1階のレベル(高さ)が南側と北側で異なっているように見えます。
平坦な場所にある建物と比較すると、損傷リスクを認めます。

 接面道路

東側(幅員約5.8m~6m)、北西側(幅員約6.1m~7.4m)の2本の区道に接面する2方路地です。
周辺の都道との接続に支障となる箇所はありませんが、東側道路は北方に進むと幅員3mを下回り、北西側道路は一方通行路なので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「白金6丁目」の地域危険度は”3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、白金6丁目は4件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
医療・介護・生活支援サービス付シニア向け分譲マンションであり、管理費は通常のマンションより数倍高くなっています。(その分、豊富なサービスが提供されています)

 本マンションの総評

台地周縁の谷底低地に位置し、高低差が10mほどある傾斜地です。
表層地盤増幅率は比較的良好で、ボーリング調査の結果も良好です。
浸水可能性は指摘されていません。
1階レベルに段差のある建物なので、損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

表層地盤増幅率は比較的良好で、ボーリング調査の結果も良好なので、地盤の固さに問題はない可能性が高いです。ただ、高低差が10mほどの傾斜地に位置するので、地盤(傾斜地)リスクを無視できません。また、1階レベルに段差のある建物なので、損傷リスクを認めます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。