【防災力:2】ザ・パークハウス高輪松ヶ丘

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを不動産鑑定士(兼防災士)が簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ザ・パークハウス高輪松ヶ丘

 

1.大地震が発生しても安全か

地震で建物が損傷するリスク有

対地震 Level  2/5 (リスク大)
地盤ハザード [3/5]「埋没谷」に該当
地盤増幅率 [4/5]良好
ボーリング [1/5]地中深くまで柔らかい地層
建物 [5/5]2023年竣工の中層RC造建物
【対地震の評価】
地盤
いわゆる「崖上マンション」である上に、「埋没谷」エリアに該当し、ボーリング調査でも、地中深くまで柔らかい地層が続くことが推察されるので、地盤リスクは大きいです。
建物
2023年竣工の中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
〔対地震総評〕
地盤リスクがそれなりに大きいと推察される場所に建つ「崖上マンション」なので、中層RC造建物ですが、地震の際に損害が発生する可能性は高いです。
※相対的な評価です。このマンションが損壊すると思っている訳ではありません。ただ、地盤のしっかりした場所に建つマンションと比較したら、被災リスクは高いといわざるを得ません。

[所在地] 〒108-0074 東京都港区高輪1丁目4−26

標高・地形

標高 約23m~28m
地形 台地の端にある傾斜地

傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。
コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、傾斜地は、地震時の揺れが複雑になることもあるようなので、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
また、隣地との境界に数m~10mほどの高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
いわゆる「崖上マンション」です。


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】「崖上マンション」が安くなくてはいけない理由

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 該当なし
沖積層 該当なし
埋没谷 範囲に該当
急傾斜等 該当なし

12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震時の揺れが大きくなる可能性があります。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 1.48

良好な(低い)数値であり、地震時の揺れを小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
西方の同地形(台地)にある調査地点では、
表層からN値4を下回る地層はありません。
ただ、深度32m過ぎまでN値6などの柔らかい地層が続きます。
支持層の深さは、35m余りであるようです。
地下水位の下に砂質の地層が存在しますが、概ねN値20程度あるので、液状化リスクは大きなものではないと考えます。
本件マンションの公式ホームページに、支持層の深さは約33.5mとの記載があります。
地中深くまで柔らかい地層が続くので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 2023年2月竣工
構造 RC造地下1階地上7階建
施工会社 木内建設
その他

中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
標高 約23m~28m
地形 台地の端
浸水深 [内水氾濫等]約1.2m
【対水害の評価】
標高・地形
標高約23m~28m、台地の端にある傾斜地に位置します。
浸水深
敷地の北東側周縁部に、約1.2mの浸水可能性が指摘されています。
内水氾濫の指摘としては大きな数値ですが、指摘箇所は、対象地の崖下の部分に当たるようであり、建物部分に大きな影響はないと考えます。
〔対水害総評〕
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

3.その他の災害リスク

その他 Level  4/5 (大きな災害リスクなし)
接道状況 普通(前面道路幅員6m超)
系統連続性 普通
地域危険度 安全
その他

接面道路

南側(幅員約6.4m~7.6m)、東側(幅員約6m)の2本の区道に接面する角地です。
桜田通り(国道1号線)との接続に支障となる箇所はありませんが、経路に一方通行や少し狭い箇所があるので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「高輪1丁目」の地域危険度は”1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2025年累計」を見ると、高輪1丁目は45件となっており、治安は“5段階で4番目の悪いレベル”です。

4.本マンションの総合評価

総合 Level  2/5
[対地震] Level  2/5 (リスク大)
[対水害] Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
[その他] Level  4/5 (大きな災害リスクなし)

地震リスク
地盤リスクがそれなりに大きいと推察される場所なので、中層RC造建物ですが、地震の際に損害が発生する可能性は高いです。
水害リスク
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。
その他リスク
大きなリスクを感じるような要素なし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル2”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2026年1月