【防災力:4】THE CONOE代官山

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 THE CONOE代官山

[所在地] 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1丁目36−10

防災力 Level 4
地盤 []埋没谷エリア、ボーリング調査もいま一つ
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約30m~31mの台地の端に位置します。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.46”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある複数の調査地点では、
表層面は問題のない場所が多いです。
ただ、深度約17m~22mほどまでN値10前後の柔らかい地層が続きます。
柱状図に支持層までの表記がないので、支持層の深さは把握できませんが、30mより深いようです。
地下水位の下に、砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性があるでしょう。
地中の深い部分まで柔らかい地層が存在し、支持層も深く、液状化の可能性もみえるので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2016年2月竣工のRC造地下2階地上13階建です。
施工会社は、中堅ゼネコンの「日本国土開発」です。
建物は、複雑な形をしています。横長でシンプルな形状の建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めます。

 接面道路

西側(幅員約14.7m)、東側(幅員約5.5m)、北側(幅員約5.2m)の3本の区道に接面する3方路地です。
旧山手通り(都道)と隣接しており、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「恵比寿西1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、恵比寿西1丁目は44件となっており、治安は“5段階で4番目の治安が悪いレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が良好な台地ですが、埋没谷の範囲に該当します。
ボーリング調査は、埋没谷の影響もみられる上に、液状化の可能性も感じる結果です。
浸水可能性は指摘されていません。
建物は、複雑な形状なので、多少の損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

埋没谷の範囲に該当し、ボーリング調査も良い結果ではないので、地盤リスクは無視できません。また、建物が複雑な形状であることから、損傷リスクも認め、これらを合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。