【防災力:1】プラウド新小岩

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 プラウド新小岩

[所在地] 〒124-0025 東京都葛飾区西新小岩1丁目1−5

防災力 Level 1
地盤 []液状化、地盤増幅率が最悪レベル、軟弱地盤
浸水 []高潮約3.8m、荒川氾濫0.5m~3.0m未満
建物 []概ねシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約0mの「海抜ゼロメートル地帯」に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、「液状化の可能性が高い地域」に含まれています。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2.46”です。
全国的にも最悪レベルの数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
南側接面道路付近にある調査地点では、
深度30m近くまでN値3以下の柔らかい地層が続いています。
深度50mを超えてもN値10ほどの地層が存在するようです。
支持層の深さは54mを超えるようです。
地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化の可能性は高いです。
周辺を少し広く見ると、多少マシな地盤のところが多いですが、大まかには同様の地盤です。
地中の深いところまで柔らかい地層が続き、液状化の可能性も高い、いわゆる「軟弱地盤」です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

高潮で、最大約3.8mの浸水可能性が指摘されています。
荒川の氾濫では、0.5m~3.0m未満の浸水可能性が指摘されています。
中川等の氾濫で、最大約1.1mの浸水可能性が指摘されています。
対象地は、荒川や中川と近接した「海抜ゼロメートル地帯」に位置します。
昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態もあり得ます。

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【荒川が氾濫した場合の浸水想定区域】

※重ねるハザードマップ (出典:「ハザードマップポータルサイト」)

【中川等の氾濫】

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2006年2月竣工のRC造地上15階建です。
施工会社は、中堅ゼネコンの「淺沼組」です。
概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

北西側都道(幅員約31m)、南東側及び南西側区道の3本の道路に接面する3方路地です。
葛飾区は、区道の幅員情報をWEB公開していないため詳細は不明ですが、接面区道は、片側一車線が整備されている十分な広さの道路です。
蔵前橋通り(都道)と接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西新小岩1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西新小岩1丁目は135件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。

 本マンションの総評

「海抜ゼロメートル地帯」に位置し、「液状化の可能性が高い地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当します。
表層地盤増幅率は全国的にも最悪レベルの高い数値です。
ボーリング調査でも、地中の深いところまで柔らかい地層が存在し、液状化の可能性が高い、いわゆる「軟弱地盤」であることが把握できます。
高潮で約3.8m、荒川の氾濫で0.5m~3m未満等の浸水可能性が指摘されています。
建物自体の損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性が高い地域」及び沖積層エリアに該当し、表層地盤増幅率が全国的にも最悪レベルな上に、ボーリング調査でも「軟弱地盤」といえる結果なので、地盤リスクは非常に大きいです。約3.8mの高潮リスクが認められる上に、荒川等の氾濫リスクもあるので、浸水リスクも非常に大きいです。よって、防災力を“レベル1”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。