【防災力:5】プラウド中目黒

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 プラウド中目黒

[所在地] 〒153-0061 東京都目黒区中目黒4丁目6−1

防災力 Level 5
地盤 []ボーリング調査が良好
浸水 []目黒川氾濫リスクはあるが、大きくはない
建物 []少し縦に長いが、大きなリスクはない
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約8mの台地の縁(一部、谷底低地)に位置します。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当します。こちらも、大地震の際の揺れが大きくなる可能性を示す兆候です。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.55”です。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北西方で近接する調査地点では、深度4mほどまでは沖積層エリアらしい非常に柔らかい地層ですが、深度9mほどで支持層に到達するようです。
深度5mでN値30を超え、支持層も浅いので、マンション適地です。
埋没谷の影響とみられる地層も見られません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大0.3mの浸水可能性が指摘されています。
敷地の一部が「目黒川が氾濫した場合の浸水区域」に掛かっています。
浸水可能性の指摘は約0.3mにとどまっていますが、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2022年1月に竣工したRC造地下1階地上14階建です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「西武建設」です。
建物形状は、少し縦に長く、上から見ると凸のような形をしていますが、リスクを感じるほどではないので、建物が大きく損壊するリスクは低いのではないかと判断します。

 接面道路

北東側都道(幅員約30m)、北西側区道(幅員約2m)、南東側私道の3本の道路に接面する3方路地です。
山手通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「中目黒4丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、中目黒4丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
山手通り沿いであることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

沖積層及び埋没谷エリアに該当する台地の縁に位置します。
ボーリング調査は良好です。
大きな浸水リスクには繋がらないと思いますが、目黒川氾濫浸水区域に敷地の一部が掛かっています。
少し縦長ですが、概ねシンプルな形状の建物であり、大きな損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

沖積層及び埋没谷エリアに該当しますが、ボーリング調査が良好なので、地盤リスクは低いと判断します。目黒川の氾濫浸水区域に敷地の一部が掛かっているので、浸水リスクは顕在ですが、浸水可能性の指摘が0.3mにとどまっているので、大きな被害には繋がらないと考えます。その他のリスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。